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活躍する消費生活アドバイザー

坂倉忠夫さん

お客様センターを人気部署にすることが目標です

坂倉忠夫さん(消費生活アドバイザー30期)
キリンビール株式会社広報部お客様センター所長

東京都出身。1982年、キリンビール株式会社に入社。広島支店、企画部、バドワイザー・ジャパンなどを経て1996年より海外駐在となり、キリン香港社長、上海駐在所首席代表。2001年に帰国し、営業部等に勤務後、キリンヤクルトネクストステージ株式会社通信販売部長。2009年9月より現職。元全日本学生プロレスJr.ヘビー級チャンピオン。

キリンビールのお客様センターは、広報部のなかにあるんですね。

坂倉 はい。いわゆるマスコミ対応にあたる報道チームやWebチームなどとともに、お客様とのコミュニケーションを担当することから広報部に組織されています。当社の広報部には工場見学を担当するチームもあるんですよ。

 お客様センターは私を含めて22人で、ワインを除く酒類について日本全国のお客様からのお申し出に対応しています。清涼飲料はグループ会社のキリンビバレッジ鰍フ商品なのですが、こちらに電話が入ることもよくあります。そうした電話は、転送させていただいています。お客様から見れば、どちらも同じ「キリン」の商品ですから。実は同じビルにキリンビバレッジの本社もありまして、お客様対応の部署が隣どうしに設計されているんです。

 お客様のお申し出は電話が圧倒的で全体の約8割、メールが約1 割。Fa x・手紙などで寄せられるお客様もいらっしゃいます。全体のお申し出件数は年間で4万件ぐらいです。

どのようなお申し出が多いですか。

坂倉 お問合せが約70%、ご指摘が約15%、残りはご意見といったところでしょうか。新製品の発表後や大きなキャンペーンの申込受付開始直後は、お問合せをたくさんいただきます。

 よくお問合せいただく事項については、Q&Aの資料を作成しています。お客様センターだけではお答えできない場合はいったん電話を切り、関係部署に確認して折り返しお電話をします。

 メールでのお問合せは、24時間以内のお答えを目標にしています。すぐに答えられない場合は、お時間がかかる旨ご了解をいただくメールを先にお送りしてからご返事するようにしています。

最近のお問合せで感じることは?

坂倉 お客様が安全・安心にたいへん敏感になられたように思います。とくに福島原発事故以降は、放射性物質に対する不安から、工場の場所、水や原料の産地、出荷基準など、安全性に関するお問合せが非常に多くなりました。

 企業姿勢を問うお客様も増えています。たとえば震災復興に対してどのような貢献をするのか。当社では缶ビール1本につき1円を東北の農業・水産業に寄付するキャンペーンを行うほか、キリングループをあげて、東北の復興に寄与するさまざまな活動を行っています。

 それから、健康志向の高まり。糖質・糖類など栄養成分へのお問合せが増えています。

お客様の声をもとに商品が改善されたことはありますか。

坂倉 たくさんあります。改善は、私がセンター所長になって、とくに力を入れてきた業務のひとつです。お客様センターが主催し、営業、マーケティング、製造、CSRといった関係部門を含めた15人ほどが集まる「お客様ミーティング」を2年前から毎月1回開いています。そこで、お客様センターが前月のお客様の声をもとに「こういうことを実施・改善してはどうか」という提案をするんですね。

 たとえば、ウイスキーのキャップを開けやすいシールに替えたり、ノンアルコールビールの表示にプリン体の数値を加えるといった改善ができました。プリン体には表示義務はないのですが、プリン体のとりすぎに気を付けている方が多く、多数のお問合せをいただいていました。

 関係部門の意識も非常に高いです。キリンホールディングス鰍フ三宅占二社長が折りにふれ「お客様視点を大事に」と語っていることもあって、みんな「お客様の声をなんとか活かせないか」という方向で進んでいます。

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