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活躍する消費生活アドバイザー

アンケートをもとに改善された例には、どのようなものが?

大野 ご葬儀の小型化に伴い、通夜振舞や告別式の料理に対するご遺族の意識も多様化しています。
 特にお葬式は親族が一堂に会する機会でもあり、遠来の親族と故人を偲びながら良い食事をしたいといったニーズが増えてきたため、調理人が斎場に出向してその場で調理を行うサービスを取り入れたり、ご葬儀の生前相談の増加に対応してガイドブックの制作等も行いました。

 ご婚礼では、「新郎新婦は目の前に並んでいる豪華な料理が食べられず残念だった」というご意見がありましたので、お式の終了後や後日ご用意させていただくなどの改善を行いました。

 またアンケートを始めたばかりの頃は、ご婚礼の衣装室に関して、「選ぶ時間が短い」「実際に衣装を見る時間がなかった」といったご意見が多くありました。
 婚礼衣装に対する新婦様の想いの強さを現場に伝えた結果、「営業時間の見直し」「フローチャート化した資料を事前にお渡しして、好みの衣装の傾向を決めていただく」といった改善につながりました。
 そうしたことが奏功し、最近のアンケートでは衣装室の評価の数字が上がってきました。私たちのフィードバックがお客様の評価につながったので、CS課としても、とてもよかったと思っています。

 お客様の声を聞くことによって、こうしたことを一つひとつ行い、全社的な広がりにしていこうと取り組んでいます。

「お客様の声」を現場に伝える際、工夫されていることはありますか。

大野 たとえば衣装についての苦情があった場合、CS課から衣装室に直接伝えるのではなく、婚礼部門のマネージャーにまず伝え、マネージャーがいろいろ検討したうえで衣装室に「こうしましょう」と話してもらうようにしています。

 現場の実態を知っていることで具体的な改善案を示せると考えるからです。
 そのうえで、お客様がおっしゃっていることが、実際はどうだったのか、本人に確認したうえで報告書にまとめます。
 なお、お客様からのお礼や感謝の言葉は、直接本人に伝えるようにしています。

 現場の担当者も、電子社内掲示板(イントラネット)の「CSレポート」で公開されているアンケートを必ず見ています。
 そのうえで、「こういう事情でした」「改善に取り組みます」といった内容を、現場の責任者の確認をへてCS課のほうに返すというサイクルができています。

 「CSレポート」は、現場を担当したスタッフも、お客様のお考えを直接知り、「じゃ、今度から気をつけよう」とか、「こういうことがよかったのなら、また次も」と考える機会、気づきの場にもなっています。

 先日、十数年前に当社がお父様のご葬儀をお世話させていただき、今回、お母様のご葬儀もご依頼された方が、アンケートにご記入くださいました。「すごく親切にしていただいたので、同じ担当者にお願いした」と書かれていました。
 心に残る仕事をしていることを現場の担当者に伝えられるのは、ほんとうにうれしいです。

「お客様の声」は、電話の場合もありますね。

大野 当社のコールセンターは、ご葬儀、ご婚礼についてのお問合せのほか、互助会のご利用方法や各サービスのご案内なども一括して承っています。
 ご葬儀の依頼に対応しますので、24時間、電話を受け付けています。

 コールセンターでは、毎月問合せ内容をまとめていますが、それを私たちCS課が分析して、CS向上委員会にはかります。
 「コールセンターでこういう案件を受けましたが、現場のオペレーションはどのようになっていますか」といった感じです。

最近のご相談の傾向などは?

大野 ご葬儀は、家族葬や小規模葬が多くなってきましたので、ご遺族のご指摘やご意見が細かく、厳しくなってきたように思います。

 故人をお送りするご遺族というよりも、くらしの友にご葬儀を依頼した消費者としての意識が強くなっているように感じます。

「くらしの友」は、平成7(1995)年度と平成12(2000)年度に、消費者志向優良企業等として経済産業大臣表彰を受けられています。

大野 冠婚葬祭のお世話をする会社ですので、創業時からCS(Customer Satisfaction:顧客満足)志向があったようです。当時は、まだCSという言葉は一般的ではありませんでしたが。

 現在は、お客様の声をアンケートや電話などでうかがうだけでなく、季刊の互助会会報誌『てふてふ』や、ご葬儀でのマナー集をお問合せいただいた方に無料でお渡しするといったことも行っています。

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