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活躍する消費生活アドバイザー

日本ライトハウスでのお仕事をはじめ、さまざまな活動をされていらっしゃいます。

竹田 社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センターは、目の見えない方・見えにくい方が、見える人と等しく、「情報」を活用し、「文化」を享受し、「コミュニケーション」を楽しむ、そんな社会の実現を目指している団体です。
 私は、福祉機器やパソコン・タブレットの操作説明、視覚障害者にも使いやすい家電の紹介、全国の視覚障害の方からの電話相談など、勤務先の「情報文化センター」という施設名のとおり、情報を届ける仕事をしています。そのほか、事業者様からのご相談、製品試用なども行っています。

 また、障がい当事者である消費生活アドバイザーとして、(公財)先端医療振興財団の「就労支援フロー検討研究会」や(公社)NEXT VISIONの「ロービジョンの集い有識者会議」の委員もさせていただいています。

 それから、JBS日本福祉放送の視覚障害者の方に向けた番組にも出演しています。「こんな新製品がありますよ」「こんなイベントをやっています」といった、もうちょっと生活がラクになるような情報を提供する番組です。視覚障害者向けの製品は黒いものばかりなんです。使いやすくて楽しい、可愛い物も紹介したいと思っています。

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 JBS日本福祉放送:http://www.jbs.or.jp/index.php
 『らくらく生活〜もっと便利なモノかたり〜』
 放送日時:月曜日の20時30分〜21時00分
 (再放送)火〜日曜日の20時30分〜21時00分
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ユニバーサルデザインの普及はまだまだですね。

竹田 そうですね。点字ブロックや電車のホーム柵が設けられていますが、それが行きわたるのが理想ではないと思います。
 行きたいところが必ず点字ブロック上にあるわけではありません。田んぼや農道に点字ブロックをつけるのもナンセンスでしょう。そういうものがなくても出歩ける世の中がやっぱり理想なんですよね。

 「白杖を持つ人=全盲」という社会の固定概念があり、インターネットに「白い杖を持った人がiPhoneを見てた。サギだ」といった書き込みがあったりします。
 iPhoneは全盲の方にも使えるようにできています。アメリカでは法律によって、障がいを持つ人が普通にアクセスできる権利を保障することをメーカーやサービス提供者に義務付けています。
 また、当然ながら、白杖を持っている人=全盲ではなく、多くは見えにくい人(ロービジョン)です。

 もちろんユニバーサルデザインが増えるのはよいことです。ただ、何がユニバーサルデザインなのかは難しいところがあります。見えている方が想像するのと視覚障害者の声とは違うこともありますので、視覚障害者の声を取り入れてもらえたらと思っています。

 点字ブロックは視覚障害者にとっては必要なものですが、ユニバーサルデザインではありません。足がすべりやすいですし、車イスの方にはバリアになっていることもあります。
 「視覚障害者の方にも使えます」というキャッチフレーズの機器でも、「このボタンは、どうやってわかるの?」「これ、ほんとに視覚障害者向けなの?」という機器があったりします。
 そういったことに対して、視覚障害者自身の声を伝えることは絶対必要だと思っています。それが消費生活アドバイザーを取得するきっかけの一つにもなったのですけれど。

 また、「このように変えてください」と要望し、対応いただくこともありますが、視覚障害者には、なかなか厳しいホームページもたくさんあります。

視覚障害者から見たNGホームページ
  • ・背景とのコントラストが低い文字は読みにくい。
    色の薄いパステルカラーの背景に白抜き文字など、わからないことがよくあります。
  • ・大きければ読めるわけではない。
    フォントが大きくても線が細い文字や、極太文字でも背景ともにカラフルな場合、チカチカして読めないことがあります。
  • ・画像には代替テキストを付けてほしい。
    視覚障害者は、スクリーンリーダー(音声読み上げソフト)を使って、文字を読み上げさせている方が多いですが、一般的には、文字を画像として作成し表示しているリンクボタンや商品情報は読み上げさせることはできません。このような、情報にアクセスできないページはたくさんあります。

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