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活躍する消費生活アドバイザー

電力自由化関連ビジネスの最先端を走っているんですね。

巻口 そうですね。当社は昨年(2015)4月に設立され、現在の従業員は30名ほど。いわゆるベンチャー企業です。
 「『電力会社を選ぶ』を公平・中立的にサポートする会社」を社是に掲げ、大きくは3つの事業を展開しています。

 一つは、電力ニュース・コラムのメディア発信です。
 電力自由化で、お客さまがエネルギーを選ぶ立場になるわけですが、料金だけではなく、電源構成や節電といった観点からの情報もお客さまに提供していきます。
 各種メディアを使って、毎日、良質な情報を見つけやすく最適化して発信しています。

 二つ目が電力データ解析技術を活かした、電力比較サイトやプロダクトの開発です。
 現在、当社の社員のほとんどは、この開発にあたるエンジニアです。
 たとえば、ご覧いただいた電力比較サイトは、全国の電気事業者の料金メニューをすべて織り込み、現在お客さまが使用している電気、料金メニュー、ご使用時間帯などを勘案して、情報の提供方法を工夫しています。何を目立たせるか、どうすれば使い勝手がよいか。ユーザーから高く評価されるには、画面のデザインも重要です。

 もう一つは、ビッグデータの利用です。
 これからスマートメーターが加速的に普及していき、2020年代には、原則として、すべての家庭に設置されることになっています。スマートメーターというのは情報通信機能をもった高機能電力メーター。家庭でどのように電気を使っているかが、リアルタイムに把握できるようになります。
 このビッグデータを統計的に処理することによって、さまざまな提案ができます。たとえば節約の仕方をお伝えし、節約した分の電力を販売するといった提案もできるでしょう。
 現在は、利用者は与えられたメニューから選ぶだけですが、将来的には「こういうメニューを」と、当社側から電気事業者に提案をできるところにもっていきたいと思っています。

副社長としてのお仕事を簡単にご説明ください。

巻口 電力自由化のメリットを享受していただくために、わかりやすく説明する広報担当といったところでしょうか。
 「電力自由化コメンテーター」として講演を行ったり、連載コラムなどを執筆したり、取材に対応したりしています。テレビにもたくさん出演させていただいています。

ベンチャー企業へ移られた理由は?

巻口 前職の定年がそろそろという時期に、知人から「ベンチャー企業で若い人をサポートする仕事というのも、いいのでは」と紹介されたのが、きっかけです。
 長年、電力業界に身をおいてきまして、「自由化でいったい何が起こるんだろう。どう推移し、どの方向へ進むのか。当事者として体験してみたい」という気持ちがありました。

 エネチェンジは、まさに自由化ならではの会社ですよね。「なるほど、こういう巡り合わせもあるんだったら、そのまっただなかに身をおいてみようかな」と。

 いまの職場は、私が最年長。年齢が突出して高いです。
 入社直後は、皆さんが何を言っているか、まったくわからなかったです。当社では、やりとりの大半はチャットで行われます。対応の履歴がわかりますし、複数の人に同時に伝えることができ、合理的ですよね。ところが、そこに書かれている若者言葉がわからない。「えっ、なにそれ?」という感じでした。
 そういった若い人たちと、どうコミュニケーションを高めていくか。日々、考えながら仕事をすることは非常に勉強になりますし、活力をもらえ、若くいられる気もします。

仕事で消費生活アドバイザー資格が役立つことも?

巻口 はい。たとえば、テレビや新聞などの方からお声をかけていただくときに、「消費生活アドバイザーなんですよね」と、確認されます。もし資格者ではなく、エネチェンジの社員というだけでしたら、こんなにお声はかけられていないと思います。
 この資格によって、視点の公平性がある程度、担保できているのかなと、思っています。
 マスコミの方々も、私の紹介をするときに「消費生活アドバイザー」と必ず入れますね。

 この資格を取得していることで、私自身、消費者目線に立って状況を受け止める自覚ができ、お客さまに対しても、きちっとお話できているかと思います。
 本当に、取得していてよかったと思います。こんなに役立つとは、取得時には考えもしませんでしたが。

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