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活躍する消費生活アドバイザー

商品開発で楽しいと感じられるのは、どんなところでしょうか。

大和 冷蔵庫は、約10年ほどご使用いただく商品です。このため、ご購入されたときにご満足いただくことはもちろんのこと、10年間使い続けてくださった日々の生活で、「不自由なく使えてますよ」と、言われる商品でなければならないと考えています。
 お客様のニーズを先読みし、それを商品に盛り込むことによって、10年後、お客様が買い替えるときに、「ほんとに、パナソニックでよかった。だから、次もまた、パナソニックを買うわ!」と言っていただくのが、一番うれしいです。

 大げさかもしれませんが、冷蔵庫とともに、そのご家庭のドラマがあります。たとえば、新婚のときに新しく買った冷蔵庫、新しい生活が始まり、お子さんが生まれ家族が増える。小学生になると部活動のお弁当でフル稼働する。お子さんの成長とともに、いっしょに過ごしていただいて、「この冷蔵庫、我が家の一員なんですよ」などと言っていただけるぐらいに、ご家族の生活に入り込ませていただければ感無量です。

 お電話でお礼を言ってきてくださる方やお手紙をくださる方もいらっしゃいます。お店で、新しい冷蔵庫を選んでいる方が、「パナソニックの冷蔵庫を10年間使ってよかったわ。だから、またパナソニックにしますよ。」と言ってくださったりします。それを聞くと、最後まで妥協せずこだわってよかったと気持ちがこみ上げてきます。

「お客様の声」が、すぐに商品開発に入ってくるんですね。

大和 はい。電話相談はもちろん、店頭やショウルームからの情報も入ってきます。それらすべての情報を分析して、次の商品に活かすデータベースのしくみがあります。

 電話相談の担当者とも、連携して仕事をしています。商品の新機能についてお客様の反響を継続的に分析してもらったり、改善箇所についてのお客様のご意見を教えてもらったりしています。
 「この商品は、こういう見方でお客様の声をひろってほしい」とお願いし、データを収集してもらうこともあります。

 お客様の声から直接、ほんとうに困っていることが出てくるのは非常に難しいです。人は、声に出すとなかなか本音が言えないものですが、何か別の話をしている間に、ちょっとしたヒントが入っていたりするのです。
 たとえば品質についてお困りごとをお話になっている電話のなかにも「ほんとにいい商品だからこそ、ここが残念」といったようにヒントが入っていたりします。

 こういったお客様の声から、「この仕様で間違いはなかったんだ」と安心したり、「ここは、すぐにでも変えないといけない」と気づかされながら、商品に落とし込ませていただいています。

パナソニックは昨年、消費者志向経営の企業としても、経済産業大臣表彰を受賞されています。お客様の声がすうっと全社に広がるのを可能にしているものは、何なんでしょう。

大和 消費生活アドバイザー資格制度創設25周年記念に引き続き、「消費生活アドバイザーとして消費者起点の商品(製品)又はサービスの開発・改善に貢献した企業」として連続して受賞させていただきました。
 やはり、創業以来の経営理念が「お客様第一」「全員経営」だからだと思います。創業者の言葉が、今日まで、ぶれることなく伝わっています。
 朝、出社してパソコンを立ち上げると、創業者からのメッセージが表示されることや、毎年、創業者の声から、改めて自分の仕事を振り返る研修などがあります。
 研修を通じて、「急がず慌てず。まず、お客様第一」と初心に帰れるような気がします。
 また社長メッセージや日ごろの経営幹部の言葉の端々など、さまざまな機会を通してお客様視点での仕事の進め方が伝えられています。

 全社員が「お客様第一」を念頭において、それぞれの業務に取り組んでいます。製造現場も同様です。「この商品が直接お客様の手元に届くのだ。ご満足いくように、そして安心して使っていただけるように」と商品をつくっています。
 消費者志向経営という言葉が登場したのは最近のことかもしれませんが、パナソニックでは創業時から既に行っていると思います。

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