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活躍する消費生活アドバイザー

2009年に明治製菓と明治乳業が経営統合されました。相談対応のノウハウ共有などはどのように進めたのでしょうか。

小黒 少しずつ研修をしていって、両社の知識やスタイルを合わせていきました。「今週は、この新しい商品カテゴリーの研修期間です」と週単位でカリキュラムを組み、集中して勉強しましたね。
 人数が多く一度に全員の研修はできませんので、まずは第1弾として何名かが研修、その方たちが終わったら、次は第2弾。研修を終えると、その商品カテゴリーの電話を受けることができますので、電話応対のシフトに参加してもらうことができます。このテレフォンコミュニケーターはこのカテゴリーとこのカテゴリーが受けられる、と広げていきました。
 各商品のパッケージに記載されているフリーダイヤルがカテゴリーごとに違いますので、お客様は必ず商品について理解の深いテレフォンコミュニケーターとお話できる仕組みになっています。

 現在、テレフォンコミュニケーターはほぼ全カテゴリーの知識をもったうえでお電話を受けています。

研修で指導される際に重視していることは?

小黒 私たち、お客様相談センターでは「リレーション」といっていますが、お問合せしてくださったお客様との関係性を構築するようにしています。これは、研修にも組み込まれており、特に意識して行っています。

 商品に対する知識は当然のこととして覚えていただき、そのうえで、お客様とのコミュニケーションの取り方を身につけてもらいます。お客様の目線に合ってないと、お客様も心を開いてお話してくださらないからです。

 私たちの目標は、お客様がおっしゃっている顕在化している要望だけではなくて、まだお客様自身も言葉にされていない部分まで吸い上げて、商品に活かしていくことです。
 それはまず、お客様と目線を合わせるところから始まります。
 では、目線を合わせるにはどうしたらいいか。そうしたところから研修を行っています。

 研修では、お客様からの電話のテープを聞いて、要旨をホワイトボードに書いていきます。「お客様の気持ちが見える部分を出してください」「それに対して、どのようにお客様にお言葉をかけていきますか」と。具体的に掘り下げていくことで、実際にどうお話するとよいかをトレーニングしていきます。
 自分でお客様の気持ちを汲み取って、それに合った自分なりの言葉を伝えられるようにするわけです。

明治グループでは「明治 品質コミュニケーション」を推進していますね。

小黒 はい。弊社では、独自の品質マネジメントシステムを「明治 品質コミュニケーション」と呼び、開発・設計、調達、生産、物流、販売・コミュニケーションといった各部門が、品質を守るうえでの重点項目を定め、それを軸にして活動を行っています。

 お客様相談センターは、生活者の目線に立って、その商品の価値をお客様に的確に伝えて、その価値を共有していくということが役割になっています。

 お客様相談センターにとっての品質というのは、テレフォンコミュニケーターの応対自体です。そこで、先ほどお話したような新商品発売時の研修をはじめ、いろいろな研修を重ねています。
 外部の先生をお招きして応対の勉強をすることもあります。

明治グループは、消費者庁が推進する「消費者志向自主宣言」もされています。

小黒 はい。私はそのなかの「お客様への情報提供の充実」というところにかかわっています。
 お客様からよくあるご質問やご意見をホームページに掲載することによる情報発信です。
 このお問合せが多いから載せたほうがいいというものもあれば、件数だけではなくて、内容的に「これはホームページにもあったほうが、お客様もいつでも見られるから」という意味で載せるということもあります。

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