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活躍する消費生活アドバイザー

高校の家庭科の先生をされていたそうですが、その頃に消費生活アドバイザー資格を取られたのでしょうか。

中村 資格取得は、教師生活最後の年ですね。当時、高校の非常勤講師をしながら、大学で実験のお手伝いもしていました。そのときに後輩からこの資格についての話を聞き、「それ、いいやん」と。ほんとうに、たまたまでした。
 教員を目指したのが遅かったため、年齢的に教員として採用されるのがムリでしたので、もし教師を続けるなら講師しかありません。それはいやでしたので、消費生活アドバイザー試験を受けるしかないと思いました。

 以来17年間、イズミヤで消費生活アドバイザーとしての視点で環境分野の仕事をしてきました。
 定年を迎えたものの、「まだ仕事を続けたいな」という思いがあり、上司に「引き続きできることがあれば、やらせてください」と申し出ました。それが認められまして、同じ部署の嘱託として、従事する時間数は短くなりましたけれども、仕事をしています。

会社を離れたところでも、環境問題に取り組んでいらっしゃるようですが。

中村 そうですね。ゴミ問題も、生活者一人ひとりが環境に目を向けなければ解決しません。そこに目を向けることがとても大事なのに、実際にはできていません。
 「リサイクルできるものはリサイクルする」「こういった扱い方はダメです」と、ゴミについて行政はもっと積極的に伝えてほしいと思います。ずっと環境関連の仕事をしてきた人間としては、たくさん言いたいことがあります。また、そういったことを言える立場でいたいです。

 もちろん、一人ひとりの意識を変えるのは簡単ではありません。
 そうなるような、お手伝いをしていきたいです。講習会で、「○○ゴミの捨て方はこうですよ」と具体的に教えてあげるとか。
 完全リタイア後は、そちらのほうのボランティアもいいなと思っています。

(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)でも、西日本CS研究会の代表をはじめ、さまざまな活動をされていますね。

中村 はい。西日本CS(Customer Satisfaction)研究会は、毎年テーマを決めてフィールドワークを行ったり、勉強会をしたりしています。月1回の例会での活動が中心です。
 今年のテーマは、「海遊館のCSについて」。海遊館は大阪湾岸にある水族館で、関西にあって、長く頑張っている施設ということで選びました。

 環境問題研究会や食活研究会にも参加しています。さらに、去年から運営委員会にも参加しています。
 いろいろな活動をしていますと、広範な情報が得られますので、自分なりに咀嚼して仕事に活かしています。

 消費生活アドバイザー資格を取得してから、家庭科講師時代に比べて、世界がずっと広がりました。NACSには、さまざまな分野の人が集まっていて、交流の幅が広がります。新たな分野も、できる範囲で開拓していきたいです。

消費生活アドバイザーの意義について、どうお考えですか。

中村 会社には上下関係があり、言いたいことがあってもなかなか口に出せないことがあります。でも、消費生活アドバイザーとしての発言が求められているときは、組織の所属を離れて消費者目線からの発言をすることができます。
 また会社という組織は、長くいますと、どうしても会社側の見方から出られなくなってしまいがちです。商品開発や社員の意識改革に消費者目線を入れることができる消費生活アドバイザーは、すごくよい立場だと思います。
 私は、イズミヤでそうした仕事を続けてこられて、「この会社に就職してよかったな」と。この動きを絶やさないためにも、今後も消費生活アドバイザーとして頑張らなければと思っています。
 また、そういう存在として消費生活アドバイザーを活用する会社がもっと増えてくれたらいいですね。

(取材:2019年2月2日)
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