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活躍する消費生活アドバイザー

勉強でご苦労された点は?

山地 家庭科教師をしていた経験があったため、なじみがある分野が多く、独学ではありましたが、消費生活専門相談員資格と同時合格できました。
 当時、子どもは乳幼児だったので、仕事はアルバイト勤務を選択し、入所基準が緩やかな、認可外保育園にお世話になることで、勉強時間を確保しました。でも、「ショートスリーパーでよかったな」と思うような睡眠時間でした。(笑)

資格取得の前と後とで、変わったことなどは?

山地 資格取得後すぐに、NACS東日本支部で子ども服の安全JIS規格を目指していた「標準化を考える会」に参加しました。
 当時、ひもがついた危ない子ども服は市場にたくさん出回っており、幼児をもつ親として、子ども服の安全が身近な問題でした。マミー・トラックで思うように仕事ができなかった頃に、子連れ参加でも暖かく受け入れてくれ、新米ママ以外の居場所を見つけて嬉しかった記憶が残っています。

 普通のパートのおばちゃんが、「消費生活アドバイザー」という名刺をもったことで自信がつき、学会やフォーラム発表に積極的に足を運んで交流範囲を広げ、結果として、(公財)消費者教育支援センター研究員にフルタイム勤務として転職しました。

 2015年に急に夫の海外勤務が決まり、日本での活動からいったん離れましたが、2018年に帰国後、「標準化を考える会」メンバーとして再び活動しています。
 子ども服のひもの安全JIS規格の普及啓発活動から、現在は幼児を対象とした消費者教育講座、危険を知らせる音の標準化と活動が拡がっており、今後の展開が楽しみでなりません。
 NACSでは、ほかにもさまざまな自主研究会があり、その一つである、海外消費者情報研究会にも参加しています。ここでは、「イギリスで学ぶ家庭基礎ー紅茶の箱から見えたことー」と、ロンドン現地で実施した高校授業を紹介しました。ふだんお会いする機会はなかなかない、さまざまな業種や立場の方と、「消費生活アドバイザー」という共通点でつながり、交流できるのは、とても心強いです。

消費生活アドバイザーを目指す方々へのメッセージなどを。

山地 消費生活アドバイザーは、子育て中の主婦や、介護、退職や転勤などで、「それまでの仕事をいったん離れた人」にこそ、お勧めしたい資格です。毎日の生活を送ることに精一杯になりがちですが、無意識にモノやサービスを消費していた暮らしを見つめ直し、自分なりの答えと知識を身につけることは、「人や社会との新しいつながりを生み出す」と感じるからです。
 会社以外の名刺を持ち、わくわくする自分と居場所が見つかる最初のステップとして、消費生活アドバイザー資格取得を目指す方を心より応援しています。

(取材:2019年10月30日)
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