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活躍する消費生活アドバイザー

大西 二郎さん

成長企業での製品事故対応の経験を活かし、社会に貢献することが使命と思っています

大西 二郎さん(消費生活アドバイザー25期)
(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会 東北支部長

井関農機株式会社を経て、1990年に大山ブロー工業株式会社(現アイリスオーヤマ株式会社)に入社。コミュニケーションセンターマネージャー、品質管理部マネージャーなどを歴任し、2018年に退職。
2012年にACAPの推薦により消費者支援功労者表彰(内閣府特命担当大臣賞)を受賞。2016年よりNACS東北支部長、特定非営利活動法人消費者市民ネットとうほく理事、現在に至る。
趣味は、旅行を兼ねた遺跡・博物館巡り(古代、とりわけ縄文文化に関心あり)に写真撮影、海釣り。心に残る一冊は、北海道農業に憧れ、前職で札幌に赴任したときに読んだ松山善三著「依田勉三の生涯」。

アイリスオーヤマの成長のまっただ中でお仕事をされていらっしゃったんですね。

大西 はい。私は1990年に転職してアイリスオーヤマに入社しました。当時は売上が150億円ぐらい、プラスチック製品の製造が中心で、主力商品は園芸用品のホースリールやプランターでした。その後、ペット用品、クリア収納用品へと幅を広げ、現在は家電製品、LED照明、衛生用品、食品などと大幅に商品構成が変わっています。2021年度の決算は、巣ごもり需要もあり、グループ売上が8,500億円くらいまでに伸長しています。

 成長できたのは、大山健太郎社長(現会長)が「変化はチャンス」と考え、変化に備えた経営を行ってきたからです。
 たとえば2011年の東日本大震災のときには電力が逼迫したことから省エネ商品のLED照明事業に本格的に参入し、また昨年の新型コロナ第1波のときには中国で生産しているマスクの国産化にいち早く取り組み、供給責任を果たしています。
 これらにも、伏線がありました。
 1990年代、ホームセンター中心のビジネスを行っていたアイリスオーヤマは、売上が伸び悩むようになりました。ドラッグストアが伸長し市場環境が変化したことが一因でした。
 そこで、ドラッグストア向けの商品構成を増やそうと、2005〜2006年にマスクや使い捨てカイロに参入しました。2009年の新型インフルエンザが流行したときには、爆発的にマスクの需要が伸び、供給体制を増やすきっかけとなりました。

 家電製品やLED照明についても、従来の大手メーカーの多くが家電から撤退していくなかで人員の流出が起こり、そういった方々がアイリスオーヤマに転職し、開発やマーケティングなどに携わり、今の売上につながっています。

市場環境や社会の変化に合わせて、スピーディに商品開発・生産してきているんですね。

大西 そうですね。商品開発と並行して、モノづくりの仕組みや物流体制を整え、Eコマースも開始していました。
 私が感心したのは、25年ほど前にオフィスコンピュータを更新するときの社長(現会長)の判断です。「今後はパーソナルコンピュータだ」と言って、1人1台のパーソナルコンピュータを導入することになりました。
 そのような「先見の明」と「人を育てる先行投資」が、チャンスに開花したのだと思います。

 会社の成長にともない、私も品質管理担当者としてプラスチックから家電・食品関係まで幅広い分野に携わりました。前職では農業施設部門で電気にもかかわる仕事をしていたので、会社が家電やLED照明、そして、精米事業にシフトしていく過程で、自分の得意分野に近づいてきたという実感がありました。

品質管理部門に携わることになったきっかけは?

大西 私は39歳で転職したのですが、会社自体が若く平均年齢は25、6歳くらいだったと思います。
 私が入った前年に初めて大卒が2名入社したという状況でした。それから、どんどん商品構成が変わり、売上が増え、会社が成長するなかで、消費者対応が重要になってきました。私が年長であり人生経験が豊富であることと、セールスエンジニアの経験と技術についての専門知識もあることから、適材適所としてお客様対応部門も兼ねた品質管理部門を任されたと思います。

 それ以前には物流や生産管理部門に、また品質管理担当になってから中国の大連工場の立上げにも携わり、貴重な経験をしました。消費者対応については幅広い商品知識と年の功ということでしょう。お客様に信頼していただけて、20年近くに及んだと思います。

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