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活躍する消費生活アドバイザー

堂端 弘さん

貸付事業を通して、生活再生のお手伝いをしています

堂端 弘さん(消費生活アドバイザー19期)
グリーンコープ生協ふくおか 生活再生相談室 部長

1985年にグリーンコープ生協ふくおかに入所、共同購入を担当する。商品開発部、企画部等を経て2008年に生活再生相談室部長となり、現在に至る。2級ファイナンシャルプランニング技能士、貸金業務取扱主任者。適格消費者団体「NPO法人消費者支援機構福岡」の事務局も担当。

生活再生相談室の業務について、簡単にご説明ください。マスコミでも取り上げられていますね。

堂端 グリーンコープ生協ふくおかの生活再生相談室では、相談と貸付をセットで、多重債務者や生活困窮者の家計再生の支援を行っています。

 当事業は、多重債務者や多重債務に陥る前に、貸付も活用した「家計指導」に重点を置くところに特徴があり、これをテレビや新聞がかなり取り上げてくれ、全国的に社会的評価を得ています。

 多重債務というのは、財務局の目安では5社から無担保の借り入れがある場合ですが、相談者一人ひとりにとっては借入先の数は関係ないですね。1社でも数百万円の借金があれば大変です。

 グリーンコープ生協の生活再生事業は、この生活再生相談事業と生活再生貸付事業のほかに、学習会や講演会などを行う金銭教育事業や、悪質商法に対する啓発や消費者被害救済に取り組む消費生活支援事業を加えた4つの柱から成っています。

生活協同組合が多重債務問題に取り組むことになったのは、どうしてでしょうか。

堂端 ホームレスや多重債務者の増加が社会問題となっていたことが背景にあります。2004年、生協内に生活再生事業の検討会が設置されました。

 当初、生協の多くの組合員は、自分たちには関係ないと思っていたんですね。自分たちの出資金を個人的な借金の返済に使うのかと反対する声も上がりました。

 しかし、調査してみたところ、組合員の1%が共同購入の代金を払えないなどの経済状態にあること、27.5%の職員・パートタイマーが消費者金融を利用したことがあり、そのうち6.8%が自分を多重債務ではないかと思ったことがある、という結果だったのです。

 そこで、多重債務は自己責任として片づけられる問題ではなく、社会問題と密接に結びついており、生協として取り組むべき問題であることが確認されました。
 延べ1万人以上の組合員による検討を経て、2006年6月の総代会でこの事業が承認され、8月に当相談室がスタートしました。

 今年で7年目を迎え、これまでに10億円以上を貸付けてきましたが、累積の貸倒れは約800万円と、非常に少ないんです。

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