電話相談などのお客様対応窓口は、別の部署になっているのでしょうか。
川窪 イオングループとして統一の窓口があります。
そこにマックスバリュ南東北の店舗宛のお申出があれば私の部署に連絡が来ますので、店長と協力し対応いたします。
また、私の部署では店頭に置いている「承りカード」で、お客様の声をお聞きしています。
これには、すべて店長が回答を書くことになっていまして、それが私たちのところにも報告されて情報を共有し、改善を図っています。
そのほか、イオングループ共通のホームページに寄せられた、当社店舗についてのご相談・お申出などのメールへの対応も行っています。
こうした業務に、消費生活アドバイザーの資格取得で勉強したことが役に立っています。
最近、「承りカード」の内容で、「あっ」と思ったようなことはありますか。
川窪 イオングループでは、2000年からレジ袋の消費を減らそうと、イオン推奨の買物カゴを持参していただく「マイバスケット運動」というのを実施しています。
このマイバスケットには、植物由来の素材が使用されています。
ところが、このマイバスケットが、お店に設置されている冷蔵(保冷)ロッカーに入らないという声が、お客様から寄せられました。
そのため、お客様は、せっかく持って来られたマイバスケットから商品を出して、ロッカーに入れなければならなかったのです。
確かにそのとおりなんですね。当社の、マイバスケットをつくる部門と、ロッカーを設置する部門が違っているために、気づかなかったわけです。
現在、改善に向け、担当部門に申し入れをしています。
東日本大震災では、店舗にも大きな被害があったのではないでしょうか。
川窪 はい。2011年3月11日の震災時は、福島県・宮城県・栃木県で16店舗が営業中でした。
震災直後は、電話が不通になりましたので、まったく店舗の様子がわからなくなりました。
ただ、幸い当社では、各店長の適切な判断もあり、お客様や店舗にいた従業員の人的被害はありませんでした。
那須店(栃木県)だけは地震の翌日から営業できましたが、他の店舗は長期間閉店せざるをえませんでした。
津波の襲来で浸水した塩釜店(宮城県)は、当時の当社売上No.1店だったのですが、約4か月間営業できませんでした。
しかし、多くのお客様が商品を待っていました。
停電し、建物の安全確認ができない店舗では、店舗の外に平台を並べてお客様に商品を販売しました。
宮城県にある2箇所の物流センターも被災。一時は、商品をまったく配送できなくなりました。
こうしたなか、各店舗の店長が自主的に行動し、連携しました。
電話が通じないので、必要な連絡事項を紙に書き、スタッフが店舗に行って連絡を取りながら、徐々に営業を再開していきました。
このときの、店長たちの行動力には本当に感心させられました。