特集
生活者からの疑問を地道に調査研究して20年
NACS西日本支部「商品の使いやすさとマニュアル研究会」の活動
「商品の使いやすさとマニュアル研究会」は、公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)西日本支部の自主研究会である。「どうすれば使いやすい商品やサービス・わかりやすいマニュアルが消費者の手に届くのか」を調査研究している。その活動の概要をご紹介。
現場重視の視点
「商品の使いやすさとマニュアル研究会」(以下、マニュアル研)は、1993年の設立であるから、活動は20年以上に及ぶ。この間に行った調査研究は13。1テーマに1~2年かけて取り組み、冊子にまとめている。
1.洗濯機の使用実態に関するアンケート調査報告 |
2.新しい家電としてのパソコン |
3.多機能電話を考える 消費者にとって必要な機能とは |
4.高齢者にとっての使いやすさを考える[Ⅰ] ~家電製品の使いやすさについての調査研究~ |
5.商品の使いやすさを考える やっぱりできない?ビデオの録画 |
6.食器洗い乾燥機の調査研究 |
7.高齢者にとっての使いやすさを考える[Ⅱ] ~加工食品の開封しやすさについての調査研究~ |
8.高齢者にとっての使いやすさを考える[Ⅲ] ~コンビニエンスストア利用についての調査研究~ |
9.非常持ち出し袋についての調査研究 |
10.地上デジタル放送についての調査研究 |
11.「長期仕様製品安全点検・表示制度」についての調査研究 |
12.「もしもあなたの家が停電になったら」調査研究 |
13.取扱説明書に関する調査研究Ⅰ |

消費生活の専門知識を備えた人たちが、「自分で使ってみて、使いやすいか」「自分が購入するとすれば、どう感じるか」という、現場重視の視点から実施している調査研究である。とりわけメーカーや消費者行政の担当者は、ぜひ一読願いたい。
たとえば、2012年に発行された『もしもあなたの家が停電になったら』調査研究報告書。
停電時のオート便器洗浄はどうなるのか。ガスコンロの換気扇をどうするか。オートロックのマンションは、どう出入りするのか。
などなど、「目からウロコ」のたくさんの気づきに出会えることだろう。
マニュアル研の調査研究は、新聞・テレビなどにもしばしば取り上げられている。
「加工食品の開封のしやすさ」の調査研究を取材したテレビ局のディレクターは、「無償のボランティアで、ここまで調べるのは貴重な存在」と語ったという。まったく同感である。