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特集記事

山口 範雄さん

講演抄録
味の素グループのグロ−バル経営と消費者志向
消費生活アドバイザー資格制度創設35周年記念式典(2015年12月7日)より

味の素株式会社 特別顧問
山口 範雄 氏

1967年 味の素株式会社入社、2005年 代表取締役社長、2009年 代表取締役会長、2015年 特別顧問。

1.味の素グループ
  経営理念と発展の歴史

味の素グループは1909年に創業し、106年をへて、現在は約31,000名のメンバーと売上高1兆円を少し超える規模になっています。
 グループ理念は
 「私たちは地球的な視野にたち、“食”と“健康”、そして“いのち”のために働き、明日のよりよい生活に貢献します」。
 “いのち”も、掲げられています。私が社長当時にちょうど100周年を迎えまして、その時にこの言葉を加えました。

創業の志は、2人の人物に由来しています。
 一人は当時の東京帝国大学の池田菊苗博士で、昆布からうま味物質になるグルタミン酸を発見した。これは新しい価値の発見・創造でした。もう一人は鈴木三郎助です。この先、どうなるかわからないグルタミン酸をきわめて開拓者精神に富んだ方法で事業化しました。

「佳良にして廉価なる調味料を造り出し滋養に富める粗食を美味ならしむることにより国民の栄養不足を解決する」。
 池田菊苗博士の言葉です。“食”の美味しさだけでなく、健康に関する字句が含まれています。既にこの時点で、食と健康を企業理念の軸としていたわけです。

講演会の様子

2.グローバル成長戦略

母乳には大切な各種アミノ酸がすべて含まれていますが、もっとも多く含まれているのがグルタミン酸です。味の素グループは、アミノ酸の知見を深く求め事業化をすることで、多角化が進み、さまざまな領域に事業が伸びています。

アミノ酸・核酸からの発展 = 当社の歴史

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また味の素グループは、1917年、すなわち創業の8年後に既にニューヨーク事務所を開設し、アメリカマーケットを視野に入れていました。アジアをはじめ世界各国には、1958年あたりから現地会社を設立しています。これらの地域にある工場はいずれも60〜70年の歴史を積み、それぞれのマーケットの消費者に育てられています。

こうした歴史や理念を踏まえ、味の素グループでは下図に示すビジョンを掲げています。

味の素グループビジョン  〜目指す将来像

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