特集記事
5 消費者市民社会の形成と消費生活アドバイザー
冒頭申し上げましたが、図のように企業と消費者の関係が変わってきました。現在は共創の時代、企業と消費者が持続可能な社会をつくるという共通の目的に向かって、いっしょに良い世界を創り上げていく。そこに消費者市民社会が出現するという流れになります。
消費生活アドバイザーは、まさに企業・行政と消費者をつなぐ架け橋として、さまざまな役割を果たします。
消費生活アドバイザーには、いろいろな立場の方がいると思うのですが、どの立場でも消費者の声を出発点にし、社会を改善していく。企業の経営を通して、あるいはご自分の社会的活動を通して、といった違いはあるにしても、そこに消費生活アドバイザーの役割があり、いろいろな形で消費者市民社会の形成を応援していただけると思っています。
消費者市民としての消費者、消費者志向経営の企業、消費者視点に立つ行政、この3つをつないでいく役割です。その内容が、まさに消費者市民教育の担い手というところに結びついていくと思います。
消費生活アドバイザーは事例もたくさん知っており、現場に近いところにいらっしゃいます。単に消費者の声を届け、経営に反映させるだけではなく、子どもたちや学生たちの前で、また地域で、ぜひ消費者の自立と消費者市民としての生き方を伝える担い手になっていただきたいと思います。
消費者市民社会は、自分自身のために経済的な価値を重視して物を選ぶことから、環境や安全、平和、健康、福祉、平等といった多様な価値を志向し、自分だけでなく地域や社会のために行動するようになる、そういう人たちがつくる社会です。
国連でも持続可能な生産と消費が、2030年のアジェンダの大きなテーマになっています。最後に、参考として、2015年9月に採択された国連「持続可能な開発のための2030アジェンダ」SDGs(持続可能な開発目標)をご紹介いたします。
ご清聴ありがとうございました。
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