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資格活用への取組み

■消費生活アドバイザー数が5倍以上に

 2006年以後、明治安田生命の消費生活アドバイザー資格者数は、劇的に増加している。
 2005年の13人が、2014年には71人。5倍以上に増加したのである。
 資格者は、もちろん「お客さまの声」統括部に多いが、さまざまな部署に在籍しているという。

 佐藤業務役は、その旗振り役としても活動してきた。
 「保険の専門家であることに加えて、消費生活についての専門家でもあることを資格によって示すことができれば、お客さまに信頼していただける場面も多いかと考えました。
 それに、消費生活アドバイザー試験では、消費者運動の歴史や、現在、消費生活で問題になっていることをひと通り勉強します。
 これらは、お客さま対応には欠かせない知識ではないかという思いもありました」。

 2006年、佐藤業務役は、『消費生活アドバイザー・チャレンジ情報(後に「ニュース」)』を「お客さまの声」統括部からのメールというかたちで発信しはじめる。
 内容は、消費生活アドバイザー制度の紹介、試験日程等の受験概要、教材等の紹介、過去問などである。
 消費生活アドバイザー資格に興味をもっている人にチャレンジャー登録をしてもらうことで、合格まで囲い込もうという作戦だった。

 この活動は現在、消費者関連室の鈴木聖子さんに引き継がれている。
 「私たちはチャレンジャーへの側面支援をしています。会社が取得を推奨している資格はたくさんありますので、消費生活アドバイザーの情報が見つけにくかったりします。このニュースは資格名が頭についていますので、消費生活アドバイザーに関心のある方は、まずここを見ます」。
 最近は、職員から人事部に照会があった場合も、「消費生活アドバイザー」に関するものは、消費者関連室を案内してくれるようになったという。

 チャレンジャー登録者は、ここ数年は100人近くおり、そのうち「3〜4割が実際に受験しています」と鈴木さん。

 消費生活アドバイザーの社内認知度アップには、所属長の資格取得が大きく貢献したようである。
 消費生活アドバイザー資格者の所属長は、異動先でも部下に取得を推奨してくれるのである。
 ちなみに、現在の「お客さまの声」統括部長は消費生活アドバイザーである。

 「お客さまの声」統括部では、さらに消費生活アドバイザー数を増加させるべく、朝礼も活用。
 「今日の試験問題」といったコーナーで、消費生活アドバイザー試験の過去問から一問をピックアップして紹介するなどの工夫をしている。

 「4月に開かれた全国のお客さまサービス部長会議にも『消費生活アドバイザー資格への挑戦』という事項を会議資料に入れ、『こういう勉強ができるので挑戦しませんか』と話してきました。
 合格者は46〜60歳が多いので、『皆さん、受験適齢期です』とお伝えしました(笑)」。(松田室長)
 お客さまサービス部長にも、6人の消費生活アドバイザーがいらっしゃるとのこと。

■社内の消費生活アドバイザーをどう活かすか

 資格者数が増加したところで、新たな課題が見えてきた。
 松田室長は、
「せっかく、がんばって資格を取得したのですから、『取得して、よかったな』という思いをもってもらえるような活動ができるといいですね」と語る。

 佐藤業務役も、次のステップについて
「消費者視点を意識して活動している資格者が連携し、提案できることがないかと考えています。資格を社内で活かしていきたいという思いがあります。

 社外連携にも取り組みたいです。
 日本生命さんや第一生命さんは、消費生活アドバイザー資格取得の大先輩で人数も多いですね。いっしょにシンポジウムや勉強会を開催するなど、活動を横に広げていきたい気持ちもあります」。
(取材:2014年8月6日)

< 終 >


佐藤喜次さん

佐藤喜次さん
「お客さまの声」統括部消費者関連室業務役(消費生活アドバイザー25期)

1977年入社、2007年に消費者関連室長、2014年より同室業務役。2013年度ACAP消費者問題に関する「わたしの提言」内閣府特命担当大臣賞を論文「消費者教育推進に向けて企業のなすべきことは」にて受賞。
「名刺に、初めて『消費生活アドバイザー』と刷り込んだ時、とても嬉しかったことが、今も懐かしく思い出されます」。

松田充弘さん

松田充弘さん
「お客さまの声」統括部消費者関連室長(消費生活アドバイザー32期)

1985年入社、2013年より消費者関連室に。
「消費生活アドバイザー試験合格がきっかけで現部署に配属されたのかもしれません。他業界の方と接する機会が増え、これまでの会社生活では経験したことのない刺激にあふれた毎日です」。

鈴木聖子さん

鈴木聖子さん
「お客さまの声」統括部消費者関連室

消費生活コンサルタント。2007年、日本消費者協会入社。2009年に都内の消費生活センターに勤務の後、2010年に明治安田生命入社。
「消費生活アドバイザーは、取得された方の思い入れがすごく強い資格です。『受けてみよう』と言う方がいると、先輩資格者がいろいろアドバイスしたくなるみたいですね。私も今年は消費生活アドバイザー試験にチャレンジします」。

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