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資格活用への取組み

■サービス企画チームとは?

 「私たちが所属するリビング事業部お客さま部には、そこに寄せられたお客さまの声を分析して改善活動を促進する部隊があり、全社のCS推進統括事務局としての仕事も担っています」と、楠井マネジャー。

 お客さま部は現在22名ほど。サービス企画チームとお客さまサービスチームから構成されている。

 サービス企画チームは、全社のCSを推進する業務と地域とのコミュニケーションを実施する企画業務を担当している。
 地域とのコミュニケーションを実施する業務では、小学校への出張授業や地域で開催されるイベントへの参加などにより、地域貢献活動を行っている。

 出張授業には、大阪ガス社員など合わせて約20人があたっている。2006年度から2013年度までの累計受講者は238,049人にもなる。

 昨年まで、この講師役を現場で務めていたサービス企画チームの吉田聡課長は、次のように語る。

 「小学校や地域の公民館などで、『エネルギー環境・地球温暖化防止』や『食育』といった観点で、出張授業を行っていました。消費生活アドバイザー資格取得の際に、学校での消費者教育が求められていることを学んでいたこともあり、事業者が環境教育や食育を進めることに意義があると感じています。
 対象は小学校5〜6年生なのですが、保護者の方が
『温暖化ってそういうことなの?』
『へえー、ガスってほとんどを海外から買っていて、超低温の液体の状態で運ばれてきているの!』
と、驚かれることがよくあります。
『エネルギーは、あって当たり前と思われがちですが、実はエネルギーの元となる化石燃料などは、日本ではほとんど産出されないんです』
『最近の給湯器は、なるべく少ないガスでお湯が沸かせる工夫をしていて、潜熱回収という技術があるからこそできるんですよ』
『家の近くで発電することは、熱エネルギーを有効に使えるので環境に優しい』
といったことなどをお話しています。
 子どもたちだけでなく、少しずつ大人の方にも知っていただくのは、大事ではないかと個人的に思いはじめているところです」。

 子どもたちからは、いいことも悪いことも含めて非常に素直な反応が返ってくる。それを見ると「本当にやってよかった!と思います」(吉田課長)。
 出張授業は、人によっては「1回やったら、やめられへん」という人もいるそうである。

■お客さまの声による改善

 C-VOICEのデータに基づいた改善は多数あるが、その一端を紹介しよう。

●クレジットカードへの対応
 「カードでの支払いはできないか」といったお客さまの声により、クレジットカードでの料金支払いを開始。さらに、お客さまの要望によって対応カード会社を増やしている。

●黒い炊飯器の発売
 「炊飯器は白色のものばかりで面白みがない」「デザイン的にもっと優れたものが欲しい」という声により、ブラックおよびシルバーの炊飯器を発売した。

炊飯器画像

http://www.osakagas.co.jp/company/efforts/cs/voice31.html
炊飯器「直火匠」をシルバー/ブラックの2色で発売しました。

 「ほかにも、契約書中の文字を大きく、わかりやすくしたり、ホームページ上の会員専用サイト『マイ大阪ガス』をより使いやすくする、といった改善なども行っています。『マイ大阪ガス』では、使用量や検針・点検日などがご確認いただけるほか、ご家庭のCO2排出量がわかる環境家計簿がご利用いただけます。
 私たちが気づいていないことをお客さまからたくさんご指摘をいただきますので、ありがたく思っています」。(楠井マネジャー)

 こうした改善の積み重ねによるものであろう。
 大阪ガスが毎年約50,000人を対象に実施しているお客さま満足度調査において、総合満足度は91%であった(2013年度実績)。
 お客さま満足度調査は1978年から開始し、全社7業務で実施している。調査からいただくお客さまの声をベースに、ガスグループ全体でお客さまに満足いただけるようマナー・身だしなみ向上はもちろん、修理・施工技術や商品知識の向上、説明ツールの見直し等に取り組んできた。

【7つの顧客業務接点トータル総合満足度】

お客さま満足度の推移を示すグラフ

「お客さま満足度調査」の対象は、お客さまに直接対応する7つの業務です(開栓、機器修理、定期保安巡回〈ガス設備調査〉、電話受付、機器販売、緊急保安出動、検定満期メーター交換)。各業務完了後にアンケート用紙を郵送して、お客さまの評価をご回答いただき、集計しています。(大阪ガスホームページより)

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