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資格活用への取組み

■製品安全についての広報活動

 安全な製品を使いつづけるには、消費者自身が自分を守り、判断する知識をもつことが重要であることから、NITEでは広報活動にも力を入れている。
 こうした広報は、製品安全調査課が担当している。

 昨年3月まで同課勤務であった白木 礼主任(先端技術評価センター大型実験棟建設準備室)は、
「製品安全調査課では、消費生活センターなどが開催する市民講座に講師を派遣したり、消費生活展に事故品やパネルを貸し出したりして、製品事故への啓発活動を行っています。
 また、製品の誤使用による事故事例をとりまとめて注意喚起をする『身・守りハンドブック』や、小・中学生向けの『製品安全教育DVDハンドブック』も作製し、提供しています。製品事故の再現映像やミニドラマをまじえて、わかりやすい学習ができます」。
 実際に製品が出火する様子などの実験映像は説得力があり、地域での製品安全教育にも役立つ。どんどん活用してほしいそうである。

入手希望の方は、NITEにご連絡ください。
http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/kyouzai/index.html

 マスコミを対象にした記者説明会も毎月開催。製品事故の状況を伝えるとともに、各回、注意していただきたいテーマを決め、情報発信をしている。この2月のテーマは、震災時に注意すべき製品事故であった。

 「天ぷら調理時のガスコンロのつけっぱなしによる火災事故は、繰り返し注意喚起を行っても、なかなか減りませんでした。そのため、すべてのバーナーに調理油過熱防止装置をつけるという法律改正が行われました。製品側で対策をとらなければ事故は減らせないことが、NITE事故情報データベースによって明確になったからだと思います。
 NITEが事故情報を1件1件調査・公表していくことで、日本の製品安全の底上げができ、社会に貢献している仕事との実感があります」。(穴井専門官)

■消費生活アドバイザーの活用

 製品安全センターの職員数は約140人である。今回は、消費生活アドバイザーの有資格者7人の方に仕事内容と資格との関連などをうかがった。全員、消費生活アドバイザー資格を取得した後、NITEに採用された方々である。

前列 左から、日野さん、白木さん、西田さん
後列 左から、岩本さん、穴井さん、澤井さん、石川さん

●穴井 美穂子さん
製品安全センター 製品安全調査課 専門官(消費生活アドバイザー18期)

2002年よりNITE勤務。
 「消費生活アドバイザー資格は、法律をはじめとして、幅広い知識が仕事に役立っています。常に消費者、行政、企業それぞれの立場から考え、俯瞰する、といった見方や考え方が身につきました」

●白木 礼さん
先端技術評価センター大型実験棟建設準備室 主任(消費生活アドバイザー30期)

2011年にNITEに入り、製品安全調査課勤務を経て現職。
 「グローバル認証基盤整備事業として、大阪・南港に大型蓄電池の試験・評価施設等を整備する部署で、建設に関する申請事務や庶務を担当しています」

●石川 智子さん
製品安全センター 製品安全技術課(消費生活アドバイザー18期)

2005年からNITE勤務。
 「現在は、おもに非重大製品事故の情報をデータベースに入力する仕事をしています。
 消費者の製品事故について、関係する法律に基づき、いろいろな情報が入ってきますが、資格取得するために法律というものに触れておいたのはよかったと思っています」

●澤井 和美さん
製品安全センター 製品安全技術課(消費生活アドバイザー28期)

2013年よりNITE勤務。
 「消費生活アドバイザー資格取得のために、これまで知らなかった分野の勉強をして、視野が広がりました。
 NITEでは重大製品事故を担当し、事故情報をデータベース化する業務に携わっています。これまでリコール情報など他人事のようでしたが、NITEに来てから身近に感じるようになりました。これからも興味や関心を絶やさず、もち続けていきたいと思います」

●日野 美代さん
製品安全センター 製品安全技術課(消費生活アドバイザー11期)

2005年よりNITE勤務。
 「子育ての間も仕事を続けられたのも、NITEで長く仕事ができているのも、消費生活アドバイザー資格を取得したからだと思います。
 どんな資格でもそうだと思うのですけれども、取得した後が大事ですね。勉強をして新しい知識を取得し続けなければいけないと、常々思っています」

●西田 智子さん
製品安全センター 製品安全技術課(消費生活アドバイザー31期)

2011年よりNITE勤務。
 「重大製品事故の調査に伴う事故情報データの抽出・資料作成を担当しています。自分の行っている作業が、法律のどの部分に基づいているかわかるのは、消費生活アドバイザーの勉強をしたおかげだと思っています。
 そもそも、この資格を取らなければ、NITEの存在を知らなかったので、転職に結びついたという点でも非常に役立ちました」

●岩本 利江子さん
製品安全センター 製品安全技術課 製品事故調査員(消費生活アドバイザー4期)

2010年よりNITE勤務。
 「機械グループに所属し、おもにガス器具が関連する事故のうち、非重大製品事故の調査を担当しています。
 非重大製品事故の場合、製造事業者が調査を行い、結果がNITEに報告され、その結果をNITEで精査し見解を出すケースが多いのですが、そのなかで消費者側の立場、たとえば誤使用されても問題ないか、等を考えながら実務を行っています」

(取材:2015年2月26日)
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