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資格活用への取組み

■アドバイザーのスキルアップのために

 アドバイザーのスキルを高めるために、ユニ・チャームは次のような教育を行っている。

  • ①テープチェック研修(毎月実施:全体・個別)
    アドバイザー一人ずつの電話対応録音を検討
  • ②専門知識勉強会
  • ③回答書作成勉強会
  • ④外部講師による研修
    マナー、敬語などをサポート
  • ⑤お客様満足度アンケート結果のフィードバック
  • ⑥職務完遂表をベースにした面談
  •  困りごとなどを、センター長・マネージャーと話し合う
     (四半期ごと)

 テープチェック研修では、実際の対応の録音を聞きながら、「こういう聞き方をしたほうがお客様には質問の意図が理解しやすかったのでは?」「この説明のほうがお客様は受け入れやすい」といった内容を共有する。これにより、マニュアル化できない、お客様一人ひとりに合わせなければならない部分のスキルを磨いていく。

 「対応者の経験が大事なんですね」と、25年にわたってお客様相談にあたってきた坂本英代さん。
 「お客様の気持ちをできるだけ理解し、お困りごとの解決につながる提案をしたいというモチベーションをいかにして保っていくか。テープチェックは、それを醸成する場でもあります」。

 もう一つ、欠かせないのがアドバイザーのメンタルケアである。お客様相談センターには、時にお客様の感情的な声も寄せられる。
 リーダーである坂本さんと宇佐美さんは、自身もお客様からの電話を取りながら、アドバイザーの様子に注意を向けている。対応がこじれているようであれば、そばについたり、電話後に「大変だったね。お客様はこういうことに困っていて、介護でお疲れだったので、感情的になってしまったのかな」などと声かけをする。
 「なぜ、お客様がそういう感情になったかを考えないと、スキルが向上しないんですね」。(坂本さん)

 メンタル面での負担軽減から、お客様相談センターはやや広めのスペースを取り、休憩や食事ができるリラクゼーションルームも備えている。

■海外のお客様に向けて

 来日してユニ・チャーム製品を購入したお客様からの問合せも増えている。
 これに対しては、

  • 英語に堪能な社員を新規採用し電話応対を実施
  • メールでよく聞かれる質問への英語文例を作成

 海外のお客様相談センターの窓口は、原マネージャーが担当。ISO10002をベースに、アドバイザーが使用しているマニュアルなどを現地語化し、台湾、インドネシア、タイで、日系企業で初めてISO10002自己適合宣言をした。中国では宣言はしていないものの、同様の内容を運用している。

 さらに、各国のお客様相談センターの責任者が来日して研修する「グローバル大会」が3年に1回開催されている。
 ここでアドバイザーと交流し、お客様対応についての質疑応答も行われる。

 「海外の担当者が来日して研修したり、私が現地に行って指導、ということを繰り返しています。
 難しい案件には、そのつど、日本での対応事例を情報提供しています」。
 と、原マネージャー。
 「質に対する要求は、日本の消費者が世界で一番厳しいと思いますので、まず日本のお客様対応の型を海外にもっていこうと考えています。
 ただ、海外では訴訟に対する考え方が違っていますので、ご迷惑をおかけしたことに対してはお詫びするけれども、原因については調べた結果を後日報告する、ときちっと線を引いています。
 『お詫びしてもよい』と言うと、海外の担当者は安心しますね。お詫びすると会社が過失を認めたことになり、自分が責任をとらされるのではないかと心配するようです」。

 「世界各国で購入された商品をどこの国のお客様対応窓口に持っていっても、お客様対応ができる。そうした環境に整備をしようと、今進めています」。(山田センター長)

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