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資格活用への取組み

■新事業サービス室とは

 こうした新事業にあたる新事業統括部は、全社付き専任組織であり、「200名余の人材が専門技術、知識、そして『思い』を持ち寄り、活動しています」と、米田室長。

 新事業サービス室は、愛知県刈谷市のデンソー本社を中心拠点として、

  • ・マーケットに展開する新製品のアフターサービス企画と体制構築
  • ・お客様相談窓口の運営
  • ・新事業ならではの新規セグメント製品の市場モニタリング支援によるお客様受容性の確認および製品への反映活動

を、20名体制で行っている。
 支援はAgTechから開発途上の製品まで横断的に行われ、全国8つの販売拠点に配員されたサービスメンバーおよび契約サービス店と連携を取りながらアフターサービスが提供されている。

 新製品のアフターサービス企画や市場モニタリング、製品への反映などが組み込まれていることに注目したい。
 AgTechでの取組みを紹介いただくことができた。

アフターサービス企画例

アフターサービス企画例

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 また、ここではBtoC、BtoBどちらにも対応している。
 米田室長は、きっぱりと言う。
 「BtoBのビジネス形態であっても『BtoBtoC』を意識していないと、我々の価値はないと考えています」

 新事業分野における海外展開はまだ実施していないため、海外顧客からの相談、問合せ対応は、Web上でのやり取りで対応しているそうである。

 米田室長に課題についてもうかがった。
 「お客様の情報リテラシーの向上とともに、IoTで『つながる』製品が増加してきていることから、電話窓口での説明も含めてアフターサービス対応のスピードが大きな課題となっています。
 お客様の自己解決促進に向けた情報提供の在り方やアフターサービスの方法、たとえばインターネットを介した遠隔作業など、お客様を取り巻く環境変化を意識した活動にチャレンジしています」

■消費生活アドバイザーについて

 新事業統括部の消費生活アドバイザーは現在、3名。マイクログリッド製品のサービス、お客様対応やAgTech事業に携わっている。
 自身が消費生活アドバイザーでもある米田室長は、次のように語る。
 「新事業は、これまで当社にはなかった分野、かつ幅広い事業セグメントへのチャレンジをしています。
 消費生活アドバイザー資格取得を通して学んだ、自分自身を含む消費者の置かれている立場や、社会の動きと消費者問題が関連しているという見方が、大変役に立っていると思います。特に製品開発やサービス提供においては『気づく力』や『見通す力』の源泉になっているかと。
 また、日頃から景品表示法などの法令、行政の取組み、消費生活関係の事件・事故には最新の情報を入れなければならない、という消費生活アドバイザーとしての良い意識づけもできているように思います。
 さらに、消費生活アドバイザー仲間のネットワークが活用できます。何かを始めるときには、志を共にする仲間が社内にいることはとても心強いです。それぞれの部署のプロでもある彼らから気軽にアドバイスをもらえますし、他部署の人脈形成の入り口にもなってくれています。
 消費生活アドバイザー仲間のネットワークは、部署を隔てる見えない壁を低くしている気がします」

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