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資格活用への取組み

■関連部署の部長が集結、白熱する「お客様の声部会」

 では、「お客様の声」は、どのように業務改善につなげられているのだろうか。
 大きな推進力になっているのが、2017年にスタートした「お客様の声部会」である。個々の部署だけで対応していたのでは、日々の優先順位の高い業務に埋もれる懸念があることから、お客様からの意見・苦情等を集約・分析するとともに、一元的に組織を横断して協議し、対策をまとめる場として設けられた。メンバーは、関連主要部署の部長に消費者問題に詳しい社外委員も加え、15〜16人である。
 「結構、かんかんがくがくの討論が交わされますよ。スタートした2017年は、欲張っていろいろなテーマを扱い、8回ほど開催しました。意見の多いテーマについてはひと通り検討したので、今年は、年間4回ほどに減らし、一つひとつ少しじっくり取り組もうと思っています」。(竹添部長)

 保険会社の事務部門は、長い歴史のなかで、間違いのないよう、細部にわたってていねいに仕組みが作られている。逆にいうと、今の時点では、時間がかかったり、お客様が不便に感じる手続きがあったりするが、それは担当部署にとっては正確を期すための仕組みであり、変更には抵抗がある。
 そこで、座長である竹添部長が「お客様目線で考えよう」という旗を掲げ、短縮化・簡略化を喚起、他部署との連携を進めていく。竹添部長は、「お客様の声部会」の役割を「お客様の声の方向に一歩踏み出すため、背中を押す係」ととらえている。

 推進の大きな後ろ盾となっているのが、下鳥正弘執行役員である。下鳥役員は、お客様サービス部のほか、事務企画部、契約医務部、保険金部、企業保険部、そして情報システム企画部の担当であり、消費生活アドバイザー資格者(39期)でもある。
 「経営面では費用対効果が大事です。お客様の声をたくさん集め、ご要望が多いという事実を示しているので、経営企画等、予算を預かっている部門も説得できるわけです。お客様目線で会社をよくしていきたい、お客様にさらに満足してもらいたい、ということで各部署を説得していきます」。(下鳥役員)

 さらに年2回、コールセンターのお客様とのやりとりをいくつか選び、役員会議で聞いてもらっている。これにより、直接お客様と接する機会の少ない経営サイドにも、お客様の生の声が伝えられ、改善の背景が共有される。


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