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資格活用への取組み

■「住まいを通じて生涯のおつきあい」

 同社には、これまでに販売した住宅56万棟すべてを網羅したデータベース、顧客管理システムMECIA(メサイア)が構築されている。お客様相談センターは、このMECIAの画面で住宅の図面や過去の相談内容等を見ながら対応できるようになっている。

 MECIAのほか、お客様相談センターへの電話やアンケート、不具合情報といったCS品質に関する情報はそれぞれデータベースに蓄積されており、それらはミサワホームグループ全体で一元管理できるよう構築・運営されている。

 ミサワホームグループはコーポレートスローガンに「住まいを通じて生涯のおつきあい」を掲げているが、その土台を支えているのがCS品質情報データベースといえよう。「生涯」という長期の場合、お客様の情報が断絶しない仕組み(ミサワホームには「情断大敵」という造語がある)が不可欠である。

 次に、重要事項の事前説明義務や瑕疵担保責任を果たすための対策についてもたずねた。

 同社ではCS推進課が中心となり、ディーラーのアフターメンテナンス担当者を含めて、定期的に勉強会を実施しているとのこと。その時々のタイムリーな法律の情報や、お客様相談室から出された情報をもとに、難しい事例への正しい対応を日ごろから勉強している。

 さらに、お客様の住宅の点検にあたる担当者の社内資格制度を設け、その資格保有者でなければ点検できない仕組みをとっている。この資格は、更新研修が義務づけられており、そこでも最新の情報を勉強する機会が提供される。

 また、災害時の対応も重要である。

 東日本大震災では、同社の建築した住宅も多数被災した。同社ではまず、お客様相談センターと現地のディーラーが電話で被害状況をチェック、優先順位をつけ、緊急度の高いものから対応した。元に戻せる被害か、直せるとしたらどのように行うか、技術部門や建設部門、また他地区のディーラーが支援隊を組み、交代で被災地に向かった。相談件数は、1年半が経過し、ようやく落ち着いてきた状況だという。

 最近は、被害のなかった地域から、「わが家の耐震性は大丈夫か」といった問合せが増えているとのこと。同社では震災前から制震装置や太陽光発電システムを販売していたが、昨年度は制震装置搭載率が5割、太陽光発電システムが4割に増加したそうである。

■消費生活アドバイザーの活用

 同社の消費生活アドバイザーは現在13人、うち5人がCS推進部に在籍する。5年前、当時のCS推進部長(現在は役員)が資格の意義を認識し、率先して資格を取得し、社内に広めていったそうである。

 同社では消費生活アドバイザー試験に合格すると報奨金が支給される。金額は、ハウスメーカー社員の基本的資格である宅地建物取引主任者と同じランクとのことである。(取材:2012年8月1日)

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