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資格活用への取組み

多角化・グローバル化を支えるCSを推進

富士フイルム株式会社 CSR推進部CS推進室

デジタルカメラ、化粧品から、医療用機器、産業材料、複写機まで、積極的に多角化を推進している富士フイルムグループ。そこでは、お客様応対にはどのように取り組まれているのだろうか。富士フイルム株式会社CSR推進部CS推進室のお話をうかがうことができた。

■3事業分野で多様な製品を展開

 富士フイルム株式会社は、1934年に映画用フィルムの国産化を目指して創業された。2006年には、経営体制を持株会社制に移行し、富士フイルムホールディングス株式会社の傘下に「富士フイルム株式会社」「富士ゼロックス株式会社」「富山化学工業株式会社」の三つの事業会社がある。

 現在の事業は大きく三つの分野から成る。

 まず一つは、イメージングソリューション分野(写真関連分野)である。デジタルカメラ、写真フィルム、レンズ付フィルム「写ルンです」、インスタントカメラ「チェキ」、写真を本のような形で提供する「イヤーアルバム」といった商品を展開している。2012年度の売上は全体の13%を占める。

 成長の柱となっているのが、インフォメーションソリューション分野である。化粧品・サプリメント、医療診断機器などのメディカルシステム・ライフサイエンス、印刷・刷版関連のグラフィックシステム、液晶テレビやスマホの液晶用偏光板保護フィルムといった高機能材料なども展開している。この分野の2012年度の売上は41%を占める。

 この二つの分野が、富士フイルム株式会社が事業を展開する分野である。

 もう一つは、ドキュメントソリューション分野であり、この分野では富士ゼロックス株式会社が事業を展開している。オフィス用複写機・複合機、レーザープリンター、オンデマンドの印刷システムなどの商品があり、2012年度の売上は全体の46%を占めている。

■お客様応対の基本的な理念・方針を作成

 富士フイルムグループでは、企業理念、ビジョン、CSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)の考え方、に基づき「お客様応対の基本理念・基本方針」を定めている(図1)。事業活動を支援するスタッフ部門の一つとして、コンプライアンス、リスク管理、環境、品質、CS(Customer Satisfaction:顧客満足)などを担当するCSR推進部が設置されており、経営の重要な柱の一つとしてCSR活動を展開していることがうかがわれる。

富士フィルムグループの理念・価値体系

 CSR推進部の組織図を図2に示す。CSR推進部は、コンプライアンス&リスク管理部、環境・品質マネジメント部、そしてCS推進室により構成されている。

富士フィルム CSR推進部 組織図

 CS推進室は、2012年6月の組織変更により、従来のお客様コミュニケーションセンター(以下、CCC)から分離・新設された部署である。従来のCCCは、コールセンターとして直接お客様からの電話問合せなどに応対しながら、スタッフ機能として全社のCS推進活動を行ってきた。組織変更後は、コールセンターの機能を関係会社に移管、CS推進室は、富士フイルムグループ全体に横串をさす形で全社のCSをマネジメントする機能をもち、グループ全体の顧客応対品質向上を図ること、および各事業のCSを高めることを主業務としている。

 富士フイルムグループのお客様応対体制は、大きくは、海外と国内、BtoC製品とBtoB製品に分かれている。海外については現地法人が応対し、現地法人がないところについては販売代理店が担当している。一方、国内については、BtoC製品はCCCの業務を引き継いだ関係会社が運営するコールセンターやヘルスケア製品専用のコールセンターが応対し、BtoB製品については各事業部の営業部門や販売会社が応対している。

 CS推進室の木村彰宏マネージャーは「現在の我々の業務は、国内BtoC部門のCS推進が中心となっていますが、将来的にはBtoB製品についても、またグローバルのCSについても、CS推進室でマネジメントしていきたいと考えています」と語る。

 富士フイルムホールディングス全体での海外売上高比率は54%。最近は、海外のお客様から直接問合せを受けることも増えているそうである。

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