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資格活用への取組み

■増加する高齢者からの相談に応える

 お客様からの相談で、最近、顕著になってきていることはあるのだろうか。

 「高齢の男性の方からの問合せが増えてきていますね。たとえば、退職されて家の中にいることが多くなったことから、便秘薬の相談をされる方がたくさんいらっしゃいます。

 逆に、高齢の女性の方からは、アクティブに動けるようになる製品の問合せが多いんですよ。機能性食品を摂ることによってもっと元気に動きたい、という方が多いです」。(小川部長)

 高齢者からの相談に対して、「お客様119番室」では、ゆっくりと、落ち着いた言葉の口調で、はっきりとした声で話すよう心がけている。

 これは、介護施設や高齢者を対象とした製品を開発している家電メーカーなどを訪ねて得た知見に基づく。高齢者に大きな声で話すと、パニックに陥り、脳が聴く機能を遮断してしまうことがあるという。

 「お客様119番室」の電話は、時に健康相談になる。

  • (ご質問)  「コーラックの量を減らすには、どうしたらよいですか」
  • (119番室)「食事で野菜をたくさん摂ることですね」
  • (ご質問)  「食事で野菜をたくさん摂ることですね」」
  • (ご質問)  「お味噌汁の具に野菜をたくさん使うといいですよ。あと、運動をしてはいかがでしょうか」

 セルフメディケーションをサポートする、OTC医薬品ならではの電話対応ではないだろうか。

■消費生活アドバイザーについて

 では、同社では消費生活アドバイザー資格をどう活かしているだろうか。

 「お客様119番室」に勤務して3年目の青木さんは語る。

 「私は、研究部門からこちらの部署に異動しまして、法律や社会状況、消費者の視点がとても必要だとわかったので、資格取得の勉強を始めました。

 この資格を取得後は、自信をもってお客様に対応できるようになった気がします。以前は、お薬についての知識はあるのですが、お客様にどう説明してよいのか迷う時がよくありました。自分に自信があると、お客様が思い違いされている場合でも、ご不快にならないように質問を重ねられますし、しっかりと状況を把握し対応することができます」

 青木さんをはじめとした消費生活アドバイザーがリーダー役となり、消費者関連法規の勉強会を年2回実施しているそうである。

 また同社では、消費生活アドバイザー試験の受験手数料を2回まで全額を会社負担している。

 「もっと挑戦するよう、スタッフに働きかけています」。(小川部長)
(取材:2013年10月3日)

 < 終 >


小川道弘さん

小川道弘さん
薬事部長、毛髪診断士。

「お客様の感覚を知るために、私も119番の電話を受けるようにしています。ご相談にお答えして『ありがとう』と言っていただけると、うれしいですね」

青木真理さん

青木真理さん
薬事部グループマネージャー、薬剤師
消費生活アドバイザー(33期)

「消費生活アドバイザー資格の勉強で繊維などの知識が学べたことが、主婦としてもたいへん役立っています」

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