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活躍する消費生活アドバイザー

どのような相談が多いですか。

宮下 商品の品質に対する苦情が一番多いですね。
 最近は靴やバッグなどの雑貨品の相談比率が高くなっています。靴ではヒールや甲革の強度、バッグでは塗膜のはがれや、ほかのものへの色移りなどです。
 札幌は雪国で冬が長いため、ブーツやダウンコートなどの相談が多店に比べて多いように思います。

 傾向としては、より感覚的な相談、たとえばにおいが気になるなどの相談が増えています。
 大半の人には感じられないにおいであっても、人によっては苦痛となってしまうものがあり、対応に苦慮するところです。

 また最近は、景品表示法などの法令遵守意識が高まり、社内からチラシやPOP(ポップ:店頭に設置される販売促進用の看板など)についての問合せや確認が多く寄せられるようになりました。
 百貨店では扱っている商品が多種多様なため、家庭用品品質表示法、薬事法、景品表示法、食品衛生法、JAS法関連など、さまざまな問合せが入ります。逐条解説を読んだり、所管の省庁のホームページを検索するなどして、正しい情報をお伝えするようにしています。

対応で、特に気をつけていらっしゃることは?

宮下 商品を使う人の視点で考えること、中立的な立場で解決にあたること、技術や科学的なデータ、客観的な情報に基づいて判断すること、法令遵守・社会的視点を重視した解決を心がけることです。

 ときどき、お客様から「どうせ大丸側でしょ」といったお言葉をいただきますが、「第三者の視点でしっかりと確認・判断させていただきます」と、説明させていただいています。

 せっかく気に入って購入いただいた商品が、着用や使用に支障が出てきてしまったのですから、その残念なお気持ちは理解できますし、そのお気持ちを受け止めていきたいです。

 でも、なんでも、ご要望どおりに返金や交換などを行えばよいというものではありません。商品に問題がない場合は、その根拠をしっかりとご説明して、理解いただけるように努力しています。
 過剰対応は、結果として、クレーマーをつくってしまうことがあります。

社内の消費生活アドバイザーとの意見交換などはございますか。

宮下 消費生活相談コーナーに勤務しているコンサルタントは、全員消費生活アドバイザーです。現在、全店で22名在籍しています。

 年に2回、大阪本社に全店のコンサルタントが集まるコンサルタント会議が行われ、勉強会や意見交換を行っています。
 実際に顔を合わせて話をすることによって対応の苦労やノウハウなどを共有することができ、たいへんためになっています。

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