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活躍する消費生活アドバイザー

資格取得のきっかけは?

巻口 東京電力の多摩支店長をしていたときに、支店評価を決める五十数項目の一つに消費生活アドバイザー資格者数が入っていたんです。お客さまとのコミュニケーションに重要な資格と位置づけられていたからだと思います。

 私は、その評価項目を一つひとつ検討し、評価を上げていく目標を立てました。消費生活アドバイザーについては、1年目は現状把握にとどめ、合格者はいませんでした。
 2年目は「合格者を3名出そう」と取り組んだものの、この年も全滅しました。

 3年目、なんとかして合格者を出したい。
 「受験したい人は?」と呼びかけると、10人くらいが手を挙げました。こうすると、職場で公言したことになるので、本人もがんばらざるを得なくなります。
 2週間に1回、支店のある八王子に集まり、2時間ぐらい勉強することにして、私も参加しました。前年度の失敗で、「かけ声だけではダメ」と悟りました。率先垂範しかないじゃないですか。
 やはり、継続させるための仕掛けが必要です。みんな仕事が忙しいので、いつのまにか参加者が激減、そのうち「各自で勉強しよう」となってしまいます。
 「この資格を取ると、会社の成績がほんとに上がるんですか」「勉強している時間、営業に回ったほうがいいんじゃないですか」とよく言われましたね。
 私はともかく、いかにこの資格取得が大切かを言いつづけました。

 勉強会の参加者それぞれに科目を割り振り、持ち回りで講師を務めてもらいました。講師が一番勉強します。
 その結果、第1次試験には3人受かりましたが、結局、第2次試験を合格したのは私だけ。これでは意味がないので、翌年は、「もっと体系的な勉強を」と思ったのですが、その後、異動になってしまいました。
 支店の評価は、最初の年は下から2番目でしたが、最後は上から2番まで上がったんですよ。

試験を受けてみて、感じたことなどは?

巻口 試験問題を初めて見たとき、正直、合格はムリだと思いました。まったくなじみのない洗剤などの勉強もするわけです。当時は50歳代の半ば、この暗記は苦痛でしたね。

 私にはなんの関係もない暗記知識だとばかり思っていましたら、これが役に立ったんです。
 オール電化の即販会でのことです。生活面での幅広い知識も勉強しているので、そこに来られる奥様方のおっしゃることがわかり、コミュニケーションが成り立ちました。
 消費生活アドバイザー資格は、男性がもっと取得すべきだと思います。この試験は、ふだんまったく家事をしない男性にとって、女性とのコミュニケーションツールの一つになるような気がします。

 面接試験も、素晴らしいと思いました。
 ここでは、「聞かれていることに対して的確に答えられるか」という、コミュニケーション能力が問われるのだと思います。大切なことですので、もっと時間をかけてもよいかもしれないですね。
 また私の場合、生活分野の知識は暗記しているだけでした。応用力がないので、質問されると困るわけです。そのため、もし質問された場合に備え、自分なりにいろいろ考えました。考える訓練もたくさんできる試験ですね。

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