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活躍する消費生活アドバイザー

毛利 憲昭さん

Uターンして消費生活相談員に。消費生活アドバイザー資格は、「人生三毛作」時代のパスポートです

毛利 憲昭(のりあき)さん(消費生活アドバイザー16期)
徳島市消費生活センター相談員

1975年(株)松坂屋(現:大丸松坂屋百貨店)に入社、上野店に配属される。主に外商部門を担当した後、お客様相談室、販売サービス企画に勤務。退職後は、短大講師〈販売士(リテールマーケティング)講座〉ほか、病院の患者相談、地域の消費生活サポーター活動などに従事。2017年3月、古里にUターンし、同年5月より現職。趣味はトレッキング&温泉巡り。内村鑑三の「後世への最大遺物」が座右の書で、「希望の世を信じベストを尽くす」をモットーにしている。

徳島市消費生活センターでのお仕事について、簡単にご説明ください。

毛利 徳島市消費生活センターは、徳島市に加え、近隣3町村を含めた、広域的な消費生活の相談窓口として、問題解決のための情報提供、助言、あっせんなどを行っています。
 私はそこで消費生活相談にあたっています。行政サービスですので、中立・公平な立場で業務にあたることはもちろんですが、消費者と事業者との間の情報の質・量、そして交渉力の格差是正を支援することが求められます。そのため、相談者に寄り添いながら、問題意識をもって丁寧に聴き取りを行うことを心がけています。
 相談は主に電話や来所で受け付け、私を含めて4名の相談員が午前10時から午後5時まで対応しています(火曜日、祝日、年末年始は休館)。相談件数は毎年1,300件前後です。
 そのほか、くらしの講座や移動消費者教室なども開催しています。徳島では県内全市町村に「消費者安全確保地域協議会(見守りネットワーク)」が設置されており、消費者被害の未然防止のための情報提供や啓発に力を入れています。

「消費者安全確保地域協議会(見守りネットワーク)」
設置事例集 in 徳島(消費者庁)

 寄せられる相談は、超高齢社会を反映して4割超が高齢者(60歳代以上)からです。高齢者の「お金」「健康」「孤独」の不安に付け込んだ不意打ち的な勧誘トラブルのほか、積極的に消費活動を行うアクティブシニアによる、アダルト情報サイトなどのインターネット利用に関する相談もあり、個人差が大きくなっています。
 2019年度の商品・役務別では、架空請求ハガキなどの「商品一般」(12.6%)、インターネット通販の定期購入などによる「健康食品」(6.2%)・「化粧品」(4.5%)、覚えのないサイト利用料金の架空請求や情報商材などの「デジタルコンテンツ」(6.0%)の相談が多く寄せられています。
 直近では、新型コロナウイルス感染症拡大による、マスクの送り付けや旅行のキャンセルなどに関する相談が増えています。また、多発する自然災害に関連して、屋根の点検商法や保険金申請と工事をセットで契約させられるなどのトラブルも発生しており、消費生活相談の幅広さと奥深さを実感しています。

消費生活相談員としてのやりがいを感じるのはどんな時ですか。また、ご苦労されていることは?

毛利 被害の回復や未然防止ができたことにより、相談者から「ありがとう」「助かった」などと感謝された時にやりがいを感じます。
 一方で、取引の多様化・複雑化・国際化の進展や、新たなビジネスに対応するため、常にアンテナを高く張っておく必要があり、苦労することがあります。
 現在は、勤務日(週4日)を調整しながら、大阪や高松で開催される講座などにも参加して、情報を収集するよう努めています。徳島が四国のどこに位置するのかご存知ない方も多いのですが、高速バスを利用すると意外に関西は近いので助かっています。

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