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資格活用への取組み

「すべてはお客さまのために」が、私たちコンタクトセンターの統一ビジョンです

株式会社ノーリツ 品質保証推進統括部 お客さま部 お客さま相談センター

株式会社ノーリツは、給湯器の製造・販売を中心にシステムバス、システムキッチンなど、お湯が使用される住宅設備の製造・販売を行っている。「新しい幸せを、わかすこと」をグループビジョンに掲げ、2011年には太陽光発電システムの製造・販売、今年は発電事業も開始して「太陽光を何に変えようプロジェクト」にも取り組む。「エコ(Ecology)*リラ(Relax)*キレイ(Clean & Beauty)」をブランドメッセージとしている同社お客さま相談センターにうかがった。

■「24時間、365日体制」のお客さま対応

 株式会社ノーリツのお客さま相談センターは、年末年始をのぞき年中無休にしたのは2002年、修理受付けセンターが24時間365日体制をスタートしたのは2003年。業界初の取組みだった。

 主力商品である給湯器は、お客さまが24時間いつでも使用できなければならない商品である。修理受付窓口も24時間開いているほうがよい。しかし、そのために必要なスタッフや設備がかなりの負担になることから、実現のハードルは高い。
 いち早く踏み切ったところに、「すべてはお客さまのために」が言葉だけではないことを見ることができよう。

 同社お客さま相談センターは、1990年に開設された「消費者室」に始まる。このときは社長宛ての手紙や電話に数人で対応していた規模だったが、1994年に製造物責任法(PL法、1995年施行)に備えて業務を広げ、「お客様相談室」となった。さらに1996年、公開した電話番号で相談に対応するコールセンターへと拡張され「お客さま相談センター」が稼働、相談内容の録音設備やデータベースシステムも導入された。

 こうして、お客さま対応の充実を図っていたなか、2000年、ノーリツのジェット噴流バスによる死亡事故が発生した。そのリコールに取り組む過程でお客さま相談センターの役割は、ますます大きくなっていったようだ。

 「大きな事故にはなっていない、ヒヤリ・ハット(ヒヤッとしたり、ハッとしたりする)情報の重要性が、社内に広く認識されました」
 お客さま相談センターの大浪善弘センター長は振り返る。

 2012年には関連会社でガスビルトインコンロなどの厨房機器を製造・販売する株式会社ハーマンとお客さま相談部門を統合し、現在、「ノーリツコンタクトセンター」「お客さまパーツセンター」「ハーマンコンタクトセンター」という3つのフリーダイヤルを窓口として、約270人のオペレーターが対応にあたっている。
 ノーリツの従業員数は2,968人(同社単体、2013年)であるから、メーカーとして、かなりの比重をお客さま対応にかけていることがわかる。

 ノーリツコンタクトセンターへの電話のうち、修理や「あんしん点検」に関するもの以外を受け取るのがお客さま相談センターで、総勢約80人で対応している。このお客さま相談センターとCS推進グループには、消費生活アドバイザーの有資格者が5名いる(さらに2名が2次試験受験に向けて取組み中)。

■「お客さまの声」の内訳は

 2012年のお客さま相談センターへの相談件数は、約26万件。その内容の構成比は次のとおりである。

 「仕様」が最も多く21.4%。商品の寸法や機能をたずねるものである。
 「故障相談」が16.2%。これは、お客さまにとって故障かどうかわからない場合も含まれる。たとえば凍結シーズンに配管が凍ると、お湯も水も出なくなる。「これは故障かどうか」「どのような対応をしたらよいか」といったものである。
 「商品選定」が14.6%。取換えなどの相談である。
 以下、カタログの依頼などの「案内・依頼・その他」12.2%、「施工・法規」9.4%などが続く。

 「施工・法規」の問合せは、社内の販売部門や、施工業者からのものが大半を占める。施工現場から、「ここに取り付けてガス機器設置基準・消防法上等の問題はないのか」「端末部材との接続の方法はどうするのか」といった電話が、よくかかってくるそうである。

 「苦情・意見・ご提案」は0.5%くらいである。ノーリツでは、お申し出のうち、説明して納得していただけたものは「ご意見・ご提案」とし、修理会社や営業部門に対応を依頼するものを苦情と定義している。苦情だけでは0.2%くらいとのこと。

 「お褒め・お礼」も0.1%ほどある。わざわざ電話や手紙などをいただいた場合で、まれにお菓子を送っていただくこともあるそうだ。

 ノーリツは、2011年度企業電話応対コンテスト全国大会で優秀賞を受賞、また、2011年度の電話応対コンクール東京都大会で最優秀賞を受賞し、全国大会でも優秀賞を受賞。企業電話応対コンテストは企業としての電話応対技術を競い、電話応対コンクールは個人の電話応対技術を競うもので、どちらも(公財)日本電信電話ユーザ協会が主催している。
 今年は電話応対コンクール兵庫県大会で最優秀賞を受賞し、全国大会への出場権を獲得している。(取材後の11月22日仙台で開催された全国大会でも優秀賞を受賞。)

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