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活躍する消費生活アドバイザー

セミナーなども開かれているようですね。

酒井 昨年10月には、千代田区役所を会場とした「千代田区福祉まつり」に参加して、「後見・相続」に関する、無料の相談ブースを設置させていただきました。

「千代田区福祉まつり」のブース

 また今年に入ってからは、「成年後見ってなに?」というタイトルで無料公開セミナーを開催いたしました。
 この4月18日には「相続のキホンのキ」という無料セミナーを開催します。

 成年後見人等と本人との関係について、最高裁判所が公表している統計資料では、親族が成年後見人に選任された場合が約42.2%で、親族以外の第三者が選任された場合は約57.8%。近年は親族がいない人も増えてきており、こちらが増える傾向にあります。
 そのため、親族ではない市民後見人を養成している自治体もあります。しかしコストの問題もあり、なかなか難しいようです。

 第三者の後見人として行政書士も若干増えてはきていますが、やはり司法書士、弁護士、社会福祉士、この3つの資格者が多いです。

成年後見人等と本人との関係別件数(クリックすると大きい画像が開きます)
最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況−平成25年1月〜12月−」より

消費生活アドバイザーも法定後見人になることができますか。

酒井 後見人となるのには、資格はとくに必要ではありませんので、消費生活アドバイザーもなることができると思います。
 ただ、成年後見の仕事をするためには、成年後見についての幅広い知識のほかに、金融機関との取引、預貯金の出し入れ、施設・医療機関との契約や手続などの知識が必要となります。そういった多方面の知識を講習会等で身に付ける必要があります。また、法定後見の場合には、家庭裁判所の審判によって、後見人に選任されることから、現実的にはまだ難しいかもしれません。

 認知症の方は、2012年時点で約462万人、認知症になる可能性のある軽度認知障害の高齢者の方も約400万人と推計している調査データもあり、現在でも不足していますが、近い将来、ますます後見人は不足すると予想されます。
 ですから、成年後見制度はこれまで以上に重要になっていくと思います。

消費生活アドバイザーとして活動していらっしゃることは?

酒井 (公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)東日本支部の「消費生活アドバイザー試験対策講座」で、「行政知識」の講師を担当させていただいています。入会当初は他科目も含め、模擬試験作成や添削のお手伝いをしていました。現在は、その1講座と関連の模擬試験作成だけになってしまいましたけれど。

 高齢者が消費者トラブルに巻き込まれることも多いですよね。認知能力が低下している部分が大きいと思います。そのあたりも、颯乃会としても、もちろん行政書士としても、サポートできるような活動をしていきたいですね。
 せっかく学んだ消費生活アドバイザーの知識を活かしつつ、高齢者を消費者問題から救うことにつながるような活動にかかわっていければと思っています。

(取材日:2015年3月25日)
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