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活躍する消費生活アドバイザー

商品が幅広くユニークですね。会社の社風なのでしょうか。

瀬戸 磁気治療器、フットケア、ベビーなど、商品カテゴリーが25ほどありまして、それぞれ何種類もの商品がありますから、1か月間でご相談を受けるアイテム数は約200~300、データベースに登録しているアイテム数は終売品も合わせると1,000以上になります。

 しかも、アイテムは増える一方なんですね。廃番になって久しい商品であっても、使い方に気を付けていれば壊れるまで何十年も使えるものもありますので、「○○を使っていて…」と、とても古い商品のお問合せを受けることもあります。

 卸業をしている当社が「メーカー」として自社商品を開発しだした経緯が、独特なところがあります。どこかの真似をしたような商品を作っていては、お取引をしているメーカーさんから「なぜ、うちのライバルになるようなものを開発するの?」と言われかねません。エレキバンもそうですが、歴代の開発商品は「変わっていて面白い」と感じる商品が多いです。

関連する法律も多岐にわたるかと。お客様相談室の勉強会はどのように?

瀬戸 そうですね。たとえばエレキバンは、法律的には家庭用の管理医療機器ですし、「スリムウォーク」のなかには、一般医療機器のカテゴリーの商品もあります。

 新商品が発売されるたびに関連する法律についての知識を蓄積していっています。
 また、法律が改正された時などには、たとえば薬事法が医薬品医療機器等法に改正された時は、薬剤師をお呼びして勉強をしました。身近なところでは、洗濯表示の変更。スリムウォークなど、そうした表示がついている商品がたくさんあるので、品質保証部の方に来ていただいて勉強しました。

 医療機器分野の新商品については、「お客様にご説明する時は、こういうことを話してください。こういうことは言ってはいけません」と、発売前に開発担当部門からレクチャーを受けます。

お客様相談室は社長直轄となっていますね。

瀬戸 はい。社長ミーティングが月に1回あり、社長と副社長、そしてお客様相談室から室長と係長の私が出席して、状況報告をしています。

 「こういうお声が発生しています」とか「傾向として、こうなっています」といった報告をします。

 内容によっては、「この商品の設計はどうなっているのか。お客様に対して不親切な作りになっているのではないか」と、直接厳しい意見を言われることもあります。もちろん、よいお声についてほめていただくこともあります。
 このミーティングで、社長は「消費者にとって利便性のよいものを作る」「コスト優先ではなく、お客様に支持していただけるような商品を作らなくてはだめですよ」とよく言葉に出しています。
 社長に指摘された事項は、すぐに関係部門に連絡し、確認します。

 また、お客様相談室の担当役員が副社長ですので、副社長に毎日、受付内容の全案件を記した日報が行く仕組みになっています。

お客様の声が改善につながる仕組みは?

瀬戸 お客様の声に基づいた改善提案書をすぐに出せるようになっています。それを品質保証部に回し、そこから開発部門の担当者などに問い合わせます。変えられるか変えられないか、変えるとしたらコストはどうか、といったことを検討してもらいます。だいたい1〜2か月で回答いただけます。

 開発会議には、お客様相談室長も出席しているのですが、多くの人に使っていただいてはじめてわかるご不満もあり、開発時には思いもしなかったご指摘をお客様からいただくことがあります。

 開発会議で、たとえば「コストカットのために、○○を省きたい」といった提案があったとします。それに対して、お客様相談室から「これがあるおかげで助かっている」「なくなってしまったら困る」といったお客様の声が発生していないかをデータとして出すこともあります。

2014年に「光る! 粘着耳そうじ棒 ピカッとキャッチ」の自主回収をされましたが。

瀬戸 電池を小さい子どもさんが飲んでしまった誤飲事故が1件発生しまして、会社として商品の販売も中止しました。

 この商品は、先端が粘着物質の棒状になっていまして、耳穴につけるだけで耳アカがとれるものです。親御さんや介護なさる方が、小さいお子様や介護を受けている方などに耳掃除をしてあげる時に、先が光るので中がよく見えて、棒状なので痛くないということで、とても人気がありました。そのため回収時には「どうして回収するの?」と残念がる方も、たくさんいらっしゃいました。
 現在は、単4電池に変え、かつ電池ふたをねじ回しで開けるような形に改善した商品を発売しています。以前使ってくださっていたお客様が、もう一度戻ってきてくださるといいな、と思っています。

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