TOP > 消費生活アドバイザー > 資格活用事例 > 活躍する消費生活アドバイザー > 丹羽さん インタビュー記事3

活躍する消費生活アドバイザー

それでは、消費生活アドバイザー資格について。受験されたきっかけは?

丹羽 定年5年前の55歳の時に生活者コミュニケーションセンターという消費者相談室に配属になり、消費者対応を経験することになりました。そこのセンター長から「資格を取っておくといいよ」と勧められ、まわりにも受験される社員の方がいたので受けてみることにしました。

 ところが、あまり勉強せずに受けた結果、あっさりと不合格になってしまいました。産業能率大学の通信教育のみで試験に臨みましたが、真面目に取り組まなかったことが敗因でした。
 2回目の挑戦では毎週土曜日に朝からみっちり勉強し、受験対策書を2度読み返して勉強して臨み、無事、第1次試験を突破しました。第2次試験の論文については、書き方のポイントを勉強しただけで、特段勉強はせずに「出たとこ勝負」で臨みました。結局はふだん諸問題に関してどれだけ関心をもっているかが試されると思ったからです。

 合格後、会社では名刺に消費生活アドバイザーの資格を記載することができたので、同業他社の相談部門の方と初めてお会いする時に「消費生活アドバイザー資格をおもちなのですね」と声をかけられたのが嬉しかったです。

 合格と同時に(公社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会(NACS)に加入して千葉分科会に顔を出すようにしました。そこで初めて消費者団体の活動に触れることができました。

再度、消費生活アドバイザー資格試験を受験されています。どういった理由からでしょうか。

丹羽 2014(平成26)年の消費者安全法の改正により、都道府県の消費生活相談員のなかから、市町村の行う消費生活相談の相談業務およびあっせんの事務の実施に関して、助言等の援助を行うことを職務とする「指定消費生活相談員」を指定することが、都道府県の努力義務になりました。
 これによって、千葉県消費者センターは千葉県内の市町村の消費生活センターからの経由相談や市町村の巡回訪問を行っていることから、指定消費生活相談員が必要になると考えました。

 消費生活アドバイザー資格試験は、2016年度より消費生活相談員資格(国家資格)試験も兼ねるようになったようですが、私が資格取得した当時はこの制度がありませんでしたので、私は「みなし」資格で消費生活相談員の職務にあたっていました。
 ただ、指定消費生活相談員の仕事をするには「みなし」ではないほうがよいと考え、再受験を決意しました。
 しかし、まだ千葉県では指定消費生活相談員の制度はスタートしていません。

最初の受験時と比べて新鮮に感じたことなどは?

丹羽 6年振り(2016年度)に試験を受けましたが、まず、男性の受験者が多くなっていることに少し驚きました。また試験問題は前回(2010年度)より世の中の変化に合わせた出題になっていて、かなり難易度が上がったと感じました。
 勉強方法は最初の時と同じように、仕事が休みの日の午前中に図書館に行って受験対策書を読み込みました。試験を終えた後、「ダメだったか…」と思いましたが、なんとか合格することができました。

企業退職後の活動を考えている方へのメッセージをお願いします。

丹羽 企業退職後の人生を皆さんもいろいろと考えていると思いますが、だんだんと定年が先に延びていき、会社に残って働いている方も多いように思います。それも一つの選択だとは思いますが、自分の視野や人とのつながりを拡げていくことは、それまでの仕事の延長ではなかなかできません。
 私は消費生活アドバイザーの資格をもつことで、退職後の仕事として消費生活相談員を選び、消費者団体で活動しています。このことで、今まで企業で働いていて得た知識や友人たちの何倍もの人生の拡がりを得ることができたと感じます。

 消費者問題は自分たちの生活の問題です。消費生活アドバイザーの資格をもつことは、その知識を使ってより良い社会に貢献することだと思います。人生100年時代といわれています。これからも有資格者の活躍の場は限りなくあると思いますので、ぜひご自身でできることを考えてみてください。

(取材:2021年7月23日)
< 終 >

▲TOP