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活躍する消費生活アドバイザー

村井 康弘さん

「医療と患者の架け橋」となるNPO活動をしています

村井 康弘さん(消費生活アドバイザー26期)
NPO法人ヘルスケア・イノベーション・パートナー エール 理事長

松下電器産業(株)〈現・パナソニック(株)〉に入社し、法人営業部門、営業企画部門を経て、1997年より病院向け直販営業、歯科医院向けルートセールスの営業責任者を歴任。2009年にパナソニック退職後は医療分野に特化した活動を展開し、2014年に昭和薬品化工(株)〈現・(株)ジーシー昭和薬品〉に転入し事業開発の仕事に従事、現在に至る。2019年に仲間とともにNPO法人ヘルスケア・イノベーション・パートナー エールを設立、理事長に就任する。健康マスター・普及認定講師。
アメフトとクラシック音楽を好む。大晦日は家族そろってのEテレ「クラシックこの一年」鑑賞が恒例。

まず、理事長をされている「ヘルスケア・イノベーション・パートナーエール」について、簡単にご説明願います。

村井 医療提供者と患者がストレスなく普通に「対話」のできる関係づくりを目指して設立されたNPO法人です。
 現在は、おもに医療知識の普及や受診啓発に関する講演会や医療従事者等への教育研修などを行っています。

 設立のきっかけは、ある病院の常務理事から「病院で医療に関する市民フォーラムを開催したいので手伝ってほしい」と頼まれたことです。その方は消費者アドバイザー資格者でもあり、「消費生活アドバイザー仲間で進めましょう!」ということになりました。

 そのフォーラムを病院の食堂で2016〜2018年くらいまで8回、いろいろなテーマを取り上げて、2〜3ヵ月に1回のペースで実施しました。30人くらいでいっぱいになる会場が満席になってしまい、びっくりしました。
 参加された方に理由を聞くと、入院患者の家族や外来患者の方は、「医療制度がすごくわかりにくい」「診療報酬について知りたいが、誰も教えてくれない」「知らないと損をすることが多い。このフォーラムで教えてくれるのかなと思った」と。消費者側は、そういう参加者が多かったです。
 一方で医療従事者側も、回を重ねるごとに参加が広がり、看護部長、病院長が出席するなど、大きな反響がありました。「私たちは診療を通じて患者を診ているけれども、患者さんの気持ちにあまり目が行っていなかった」「病院にこんな期待があったのか、こんなところが不満なんだとか、よくわかりました」とのことでした。
 軽い気持ちで引き受けたフォーラムでしたが、評判になり、やめられなくなってしまいました。
 「医療者は患者のことをわかっていない。患者は医療者のことをわかっていない」。だったら、「そこをつなぐような組織・団体をつくりたい。やってみるか」と、フォーラムの運営に携わっていた仲間でNPOを設立しました。

参加メンバーはどのような方ですか。

村井 国家公務員、区議会議員、市議会議員もいますし、病院の看護師、それに一般企業のサラリーマンもいます。現在、個人会員15名と2つの法人が参加しています。
 お陰様でほとんどなにも宣伝はしていないにもかかわらず、いろいろな病院から研修依頼のお声かけをいただいています。

ニーズが高いんですね。

村井 患者さんに向けて健康セミナーや市民医療フォーラムなどを開きたい中規模の病院は多いと思います。また、自治会からもよく依頼があります。
 たとえば、診療報酬制度が改訂になり、テレビや新聞で報道されますが、その背景は伝えられません。インターネットに出ているヘルスケア系の情報は、フェイクニュースが60%ともいわれ、課題が多いのです。

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