TOP > 消費生活アドバイザー > 資格活用事例 > 活躍する消費生活アドバイザー > 村井さん インタビュー記事3

活躍する消費生活アドバイザー

株式会社ジーシー昭和薬品でのお仕事もされています。

村井 はい。歯科デンタルの領域で非常に高いシェアの商品をもっている会社です。そこで10年ほど仕事をしています。ふだんの私は、頭の先から爪先まで、全部歯科デンタルで埋まっています。

 虫歯や歯周病が全身疾患の入口ということが浸透していないため、去年は、口腔ケアというテーマから切り込んでいくセミナーを何回か行いました。口は食べ物を体内に取り入れる最初の器官ですから、そのケアは大切です。
 この活動をしている人間が少ないので、続けていこうと思っています。

セカンドキャリアを意識されたのは、いつ頃でしょうか。

村井 消費生活アドバイザーに合格した頃、40代半ばと思います。私は松下電器産業(株)〈現・パナソニック(株)〉で歯科医院向けルートセールスの営業責任者をしていたのですが、「自分からパナソニックの看板がなくなったらいったいどうなるのだろう」と、セカンドキャリアをかなり意識するようになりました。

 実は、消費生活アドバイザー資格を教えてくれたのは嫁さんなんです。それで興味をもって、勉強しはじめました。ただ2年連続1次試験不合格となり、合格まで丸3年かかりました。
 衣食住分野がとにかく苦手で、1年目も2年目もそこでつまずきました。3年目は冷静に作戦を立て、衣食住は50%くらいできればいいとし、ほかの分野でカバーすることにしました。30代に中小企業診断士を目指して勉強した経験があり、経営、経済、情報通信分野は目をつぶっていても解けるといった感じでした。

 資格試験の勉強中は、生活を夜型から朝型に変え、早起きして朝1〜2時間、勉強時間を確保しました。
 第2次試験は特別な勉強をした記憶がないです。パナソニックに感謝です。と言いますのも、大企業勤務の方々は同様だと思いますが、書類づくりで800文字くらいの論文というのはふだんから書いているんですね。

現在2つの組織で活動されているパワーの源は?

村井 なんでしょう。単なる「もの好き」「好奇心」でしょうか(笑)。
 パナソニックに24年勤めましたので、「もう利益追求団体はええかな」みたいなところがあります。
 今、異業種交流の勉強会にも参加しているのですが、そこには30〜40代の若い企業経営者がたくさんいらっしゃいます。「私のつたない人脈が役に立つのであれば、人を紹介するのも立派な社会貢献なのかな」と思ったら、すうーっと気持ちがラクになりました。「とにかく社会貢献」と思っています。

現在の活動に消費生活アドバイザー資格が活かされていることがありましたら。

村井 2つあります。
 一つは国民生活センターから出ている『くらしの豆知識』を知ったことです。この冊子がすごく好きで、毎年9月に必ず買い、15年分を全部持っています。
 友達からいろいろな相談を受けたときに役に立つんですよ。法律の話は一般の人にはわかりにくいじゃないですか。『くらしの豆知識』は、暮らしにかかわる問題を1テーマ2ページぐらいで解説していて、わかりやすいです。
 国民生活センターに表彰されてもいいくらいPRしています。先日は、大学の先生にも紹介しました。

 もう一つは、消費者庁の動向に目を向けるようになったことです。歯科デンタル業界には消費者庁について知っている人が少ないです。インプラントの事故例などが国民生活センターに集まっていますよね。この事故例を伝えるだけでも、歯科医院向けの営業に役立ちます。「なんでそんなことを知っているの?」とよく聞かれます。

今後、取り組みたいことは?

村井 「エール」として取り組みたいことは、日本人の健康リテラシーをもう少し高めることですね。
 個人的に取り組みたいこととしては、いろいろあるのですが、まずは落語家・三遊亭楽麻呂師匠を演舞場の外に引っ張り出して開く“アウトドア落語会”です。昨年は、居酒屋落語会や銀座クラブ落語会を開催しました。先日、フィットネスクラブで開催したら、大当たりでした。

三遊亭楽麻呂師匠の独演会チラシ

セカンドキャリアを検討している方などへのメッセージを。

村井 「会社は頼れない」といった気持ちで、早くから準備したほうがいいと思います。人生100年時代です。「60歳で定年」は、まだ折り返し地点ですよね。残りの40年に何をするかを考えたら、セカンドキャリアという言葉が適切なのかは別として、準備が必要でしょう。

(取材:2023年6月7日)
< 終 >

▲TOP