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資格活用への取組み

●使わなくてよい容器包装は、使わない

 スーパーはセルフサービスで商品を販売し、お客様が自分で棚や冷蔵庫冷凍庫から商品を取ってレジで精算して買い物をする。そのため、ほとんどの商品は容器包装に入って販売されている。
 容器包装はお客様が家庭に持ち帰って食べたり飲んだり使ったりした後はごみになるのだが、これは家庭ごみの50%にもなる。

 ユニーは、この使用済み容器包装を「できるだけ使わないようにする」「回収してリサイクルする」「素材を環境負荷の少ないものにする」といった「環境に優しい容器包装」にすることに努めている。容器包装ごみの3R、すなわちリデュース(Reduce:発生抑制)、リユース(Reuse :再使用)、リサイクル(Recycle:再生利用・再資源化)である。

 同社は、1990年代から「レジ袋を使わないお買い物」に消費者とともに取り組んできた。
 しかし、レジ袋を辞退したお客様にポイントやマイバッグをプレゼントする「ノーレジ袋キャンペーン」を実施したものの、なかなか効果が出なかった。

 このため2007年からは、地域ごとに「レジ袋の無料配布中止」(有料化)を実施。「レジ袋は1度使ったらほとんど捨ててしまい、ごみになるから、私たちはマイバッグを持って行きます」という消費者の声に励まされて開始したものだった。

 社内では「レジ袋を有料化したら、売上げが落ちてしまう」と心配する声も大きかった。
 実際、「有料化1号店」になった横浜市のユニー中山店(当時)は、2007年6月に開始し、その月の売上は12%も落ちた。来店客数が5%落ち、さらに買上げ個数も減った。
 持参したマイバッグに入りきらない分の買上げが減ったのだった。

 普通なら「売上げが下がってまでやる必要はない」と止めてしまうところだろう。
 しかし、ユニー中山店の店長は、
「レジ袋1枚5円のためにお客様が減るのではない。もっと良い商品をお手頃価格で販売する。店内の清掃やサービスに力を入れる」
と、中止の声をはねのけたという。
 また、レジのパートさんたちは、
「今までどおりレジ袋をどんどんもらって、どんどん捨てるようなことをしていたら、孫の時代になったら地球に住めなくなります」
と、同じ主婦であるお客様に一生懸命説明したという。

 その成果があって、3か月後には売上げが元に戻り、今も落ちていない。

 2007年10月には、名古屋市緑区内のユニーのスーパーほぼ全店が有料化を開始。地元の町内会や女性会、PTAや子ども会などの地域の消費者がスーパーの店頭に立ち、他のお客様に呼びかけた。

 そこでも売上げは落ちず、レジ袋辞退率は85%を超えた。
 「お客様からの苦情もありませんでした。『レジ袋を配らなくても、お買い物に来てくれますか』という呼びかけに、『行くよ。応援するからね』と応えてくださった、多くのお客様のおかげでした」と百瀬部長は語る。

 こうして2012年度に削減したレジ袋は、有料化前の2006年比で2億2,289万枚、CO2に換算して7,355tに上る。
 現在、174店舗でレジ袋無料配布中止(有料化)を実施、2014年2月には全店で実施予定である。

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