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活躍する消費生活アドバイザー

杉さんは27年間、新潟市消費生活センターで相談員を務められました。やりがいやご苦労された点などは?

 合格発表直後、消費生活センターから連絡があり、いきなり働くこととなりました。駆け出しで薄っぺらい知識しかないため、やっていけるか不安でしたが、解決した際に「ありがとう」の言葉が励みになり、続けることができました。
 一つひとつの事案に丁寧に対処すれば、その相談記録が、法の改正につながると感じることが多く、やりがいを感じました。
 弁護士会と相談員との勉強会を企画するなどして、徐々に県内の相談員さんたちともネットワークを構築することができ、良き先輩や同僚に恵まれました。

消費者の相談も、大きく変わってきたかと…。

 高齢者を狙った訪問販売・若者のアポイントメントセールス・資格教材の二次被害などを斡旋解決しても、行政処分が難しい状況でしたので同じ事業者による相談がなくならず、根本的な解決につながらない事案が多かったです。
 2013年ごろからはクレーマー的な相談者が増え、対応困難なケースも出てきました。相談現場と職員が同室のため職員の理解も得られ、センター全体で対応することになりましたが大変でした。

 退職数年前からは、インターネット関連の相談が急増しました。相談者と一緒にパソコンやケータイで画面を確認、印刷するなどの作業も増え、相談業務にもICT(Information and Communication Technology)の知識と技術が必要な時期に入りました。

今も覚えている相談対応はありますか。

 一人暮らしの高齢女性に宝石店が次々販売を繰り返し、県外の娘に詳細な説明もせず、クレジットの保証人をさせた事案がありました。
 斡旋の結果、一部の契約は取消しになりましたが、法改正前だったため満足のいく結果に至りませんでした。しかし、相談者から「どこに相談しても『保証人の責任があり、仕方ない』と言われましたが、親切を装い高齢者を食い物にした宝石店の問題点を、あなた一人が理解してくれたことが嬉しかった」と言われました。

 また、地域包括支援センターより「認知症で一人暮らしの女性宅に、複数の業者から商品が送り付けられ、部屋が品物でいっぱいだ」との相談が寄せられたこともあります。
 かつては、親族がいない場合は解決困難でしたが、地域包括支援センターができて商品や業者の確認、荷物の整理などの共同作業ができ、また斡旋後の当事者の身の振り方なども対応してくれ、実のある見守りができるようになったと感じました。

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