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活躍する消費生活アドバイザー

お二人はNACS新潟分科会の設立メンバーでもありますね。

 はい。分科会設立前年の1991年9月に「全国クレジット・サラ金被害者交流集会」が新潟で開催されました。「NACS新潟部会として交流会に参加してほしい」とNACS本部から呼びかけがあり、4名で結成しました。
 これをきっかけに、新潟県弁護士会消費者問題委員会との交流も始まりました。

大石 分科会設立前にも、NACS学校教育事業部から新潟県内の「高校出前講座」実施を要請され、当時のNACS会員4名で手分けして講座を実施していました。よりNACSを知っていただくために新潟分科会を設立しようという動きになり、1992年度NACS総会で承認され、会員5名でのスタートとなりました。
 以降、「継続は力なり」をモットーに活動を行ったことで、しだいに新潟県消費者行政担当課の方々からも会の存在を認めてもらえるようになり、現在は新潟県、新潟市の審議委員会の委員を輩出しています。

2018年からNACSの「シニアのICTリテラシー向上のための啓発事業」にも参加されています。

大石 インターネットは遠く離れて住んでいる家族と即時につながることができますし、いろいろな情報を得ることもできる便利なツールです。このインターネットの素晴らしさを多くの人に知ってほしいとずっと思っていました。2018年にNACSが実施した「シニアのICTリテラシー向上のための啓発事業」の第1回目に参加して、これからの豊かな消費生活の実現にはICT活用が重要と認識したことが、参加の一番の理由です。その後すぐに私と高杉さん2人でICTリーダー養成講座を受講しました。

 2021年に新潟県消費者協会の依頼で、高齢者会員向けにパソコンを使ったオンライン会議ツールZoomの使い方講座を実施しました。「自分のアカウントやメールアドレスがわからない」「メールの未読が溜まったまま」「怖いと思いアップデートをしていない」といった方もいらっしゃって、シニアのICTの実態を実感し参加しました。

2023年3月には「スマホ初心者便利帳」を新潟県消費者協会とコラボして作成しました。作成のきっかけは?

 2021年、新型コロナワクチン接種予約で、シニアのデジタルデバイドが明確になり、このままではシニアが取り残されると危機感を感じました。新潟県消費者協会と協働で県内の実態を調査した結果、スマホを持っていても使えない方が多く、近所で教えてくれる態勢が整えば、デジタルデバイド問題解決の一助になるとわかりました。
 そこで、インターネットに興味がわくような講演会を実施し、近所で教えてくれる人材(スマホサポーター)の育成を始めました。

 当初はスマホのカタカナ用語辞典を作成する予定でしたが、スマホサポーター実習のための「初心者スマホ教室」に参加された方たちから生の声をお聞きして、「こんな簡単なことにつまずいていたのか」と知らされることが多かったんですね。同じ内容についての質問が多く、「何度でも見返すことができるように」と、つまずきやすい点をサッと調べることができる便利帳の作成に変更しました。

 スマホ教室で教材を使用された方々から、「このようなテキストが欲しかった」「字が大きくて見やすい」「家で復習する時に使いたい」などのお声をいただいています。これからもっと多くの方の声を聴き、修正や追加していきたいです。

デジタル庁任命のデジタル推進委員(NACS所属)もされています。

 はい。今後は、地域でちょっとしたことを教えることができるスマホサポーターを増やしていきたいですね。

大石 高齢になって出歩くことが難しくなった時にも、スマホを使えることでたくさんの人とつながることができます。スマホはその方にあった使い方ができる魔法の箱なので、デジタルを賢く使うスキルをたくさんの方にお伝えしたいです。

お二人とも定年退職後も切れ目なく活動を充実させておられます。活動継続を支えるパワーの源は?

 2人とも、消費生活アドバイザーの資格を取得してすぐにNACSに入会しました。「せっかく資格を取ったのだから、新たなつながりを得たい」との気持ちからでしたが、NACSの会員にはいろいろな職種の方々が活動されているので、常に素敵な刺激をもらい、新たな世界が広がっていることを実感しています。

大石 研修会やNACSニュースなどを通して最新の情報を得ることで、自身のアップデートができることも、これからも活動を継続したい気持ちの源となっていると思います。

(取材:2023年7月25日)
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