TOP > 消費生活アドバイザー > 資格活用事例 > WEBマガジン「あどばいざあ」 > 特集記事 > パネルディスカッション抄録 消費者志向経営実現に向けた消費生活アドバイザー資格者の役割7

特集記事

今井 最後に、皆さんからまとめの言葉をいただければと思います。

伊藤 確実に時代の要請は高まっています。これまでの相談といった業務からさらにレンジが広がって、企業そのものを動かしていくことを、広く消費者も行政も企業も期待しています。
 ぜひ、この国の経済社会全般を支えるという気概で、今後ともご活躍いただきたい。

長谷川 消費生活アドバイザーは、消費者に対する深い理解・知識をおもちの方々ということですから、活躍する年代・組織・場所・ステージが多岐にわたります。そういう方々がネットワークをつくり、本当に消費社会をより良い方向にもっていくよう足並みを揃えていきたいですね。
 それぞれの立場でしっかりと発言し、たくさんの人を巻き込んで理解をいただくような活動をしていくことで、消費者志向経営が実現に向かって動き出すのではないかと思います。

釘宮 消費者志向経営実現のキーマンは、消費生活アドバイザーだと強く信じています。
 NACSは団体ですので、直接、消費者志向経営にかかわることはできないのですが、所属会員を通じて、実現のための支援をしていきたいと思っています。
 こちらにいらっしゃる木村様と川口様も私どもの会員で、まさにカリスマ消費生活アドバイザーではないかと思っています。こういう方々がたくさん増えていくことによって、消費生活アドバイザーという資格の価値がどんどん高まっていくことを期待しています。

木村 私はいま、コンプライアンス&リスク管理の部門に所属しておりますが、コンプライアンスを推進する立場でも、やはりこの資格は活かせると思っています。
 当社でいうコンプライアンスは、法令遵守だけではなくて、社会の要請、期待に応えて、公正にオープンでクリアに行動していくことです。
 また、消費者志向経営の推進は、ある意味でリスクの軽減にもつながると考えています。いろいろな風評被害を事前に予防していけるという点で、リスクの管理、ヘッジにもなる。この観点からも、消費者志向経営は企業にとっては非常に大事なことだと思っていますので、これからも社内社外で頑張って活動していきたいと思っています。

川口 消費者志向経営を実現するには、消費生活アドバイザーの「広い視点で物事全体を見る鳥の目」と、「消費者と接する現場を中心に現物や現実と向き合って足元を見つめなおす虫の目」「自在に変化を捉えてビジネスチャンスとして活かす魚の目」といった三眼主義が重要だと思います。
 そして、何よりも消費生活アドバイザーの行動力が不可欠だと感じています。これからも頑張って取り組んでまいりたいと思います。

今井 皆さま、ありがとうございました。
 残念ながら最近、毎月のように企業の大きな不祥事がニュースで取り上げられています。こうした不祥事ですとか、製品事故を未然に防いでいく。あるいは起きてしまっても、消費者目線で素早く対応し、傷口が広がらないようにしていく。こうした消費者志向の経営ができるかどうかで、その企業が持続的に発展していけるか、あるいは消えてしまうか、先の道が大きく分かれていくのではないかと思います。
 持続的発展の方向に向かえるように、その推進をしていくのが消費生活アドバイザーの役割かもしれないと考えながら、お話をうかがっていました。
 その期待に一人ひとりの消費生活アドバイザーが応えられるようにするには、自分を磨いていかなければいけない。「頑張っていかなければ」と、私も消費生活アドバイザーの一人として感じました。
 また同時に、もっと多くの企業も、もっと多くの社員が、消費生活アドバイザー資格を取得できるように後押しをし、さまざまな部門で活躍できる環境をぜひ整えていってほしい。そして、経営層にまで消費生活アドバイザーが広がっていけば、長期的な観点で持続的な企業活動を目指すという経営ができていくのではないかと思いました。
 さらに企業だけでなく、行政も、そして私たち報道関係でも、消費生活アドバイザーあるいはそういった感覚をもった人が広がっていけば、社会全体がもう少し消費者に寄り添う、消費者志向の社会をつくりあげることにつながっていくのではないかと思います。
 今日のパネルディスカッションがそのような取組みを促していく一つのきっかけになればと思います。
 貴重なお話をしていただいたパネリストの方々、および会場の皆さま、どうもありがとうございました。

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